若いk君でした。
税務の職場だそうです。
苦労したのが眉間の皺で解る。
長く休職中です。
2人分の仕事をこなしてきたそうだ、
自分と上役の2人分、
それは彼の話だから真相の程は知らない。
ただ、はっきりしているのは仕事が彼を此処に来させたこと。
いや、具体的には奥様が連れてきたのだが。
病原菌は職場で発生して家庭内に入り込んだ。
足しげく面会に来ていた奥様だが、
彼を檻の外に連れ出すことはしなかった。
彼も奥様から心が離れてしまっていた。
その彼の心を支配しつつあるのは、
同じ境遇にある女性。
彼女も彼に魅かれていて、
楽園の皆が認めるカップルになっていた。
彼と彼女は楽園を卒業したら共に歩む決心に至った。
楽園の中のロマンスは微笑ましくも行く先の困難さを予感させたが、
誰も甘い考えを諭す人はいない。
有る日、私達厄年オーケストラは二人を誘い、
近くのスーパーマーケットの一角にあるカフェで祝福の会をプレゼントをした。
彼らの表情には不安のかけらも見えず、一途な愛が発散されるばかりでした。
グラスの中のフルーツの様に甘く、キラキラ輝く未来が2人には見えていたのでしょう。
私達厄年組も二人に当てられ、純真な子供のように楽しんだのです。
そのカフェの名は”ブルーハワイ”、素敵な名だと印象に残った。
二人のその後の人生については知らない、
娑婆に戻ってからの私は、
買い物ついでにそのカフェを覗いてみることがあった、
キラキラ輝く未来が漂っていそうな気がして。
んで、
「甘い生活」を観る、
天使を見るまでの長い3時間。
