割と好評でつ

 楽園にはこんな人も、
彼は夜だけ楽園のベッドにいました。
昼間見かけないので奇妙に思っていたのですが、お話を聞くチャンスがありました。
昼間は「散歩」に出ているのです。
保険代理業を生業としている彼の「散歩」はとても忙しいそうです。
楽園には医師の判断で昼間の外出が自由な人もいるのです。
この人は毎日「散歩」をして、普段と変わらぬ生業をこなし、疲れて楽園に帰って来るのです。
この人の疾患がどんなものなのかは聞かなかったが、
楽園のベッドで寝ることで入院の事実が形成されるそうなのです。
何が目的なのかは明らかなので聞いてみた、
”違法性は?”
「辛うじてセーフです」
この人の疾患は治療出来る種類のものでは無かった、
資本主義社会の仕組みの中でおこぼれを拾っていたのです。

医療が経営として語られる風潮に慣れてしまった私達がいます。
仕事柄良く病院に立ち入りますが、
薬品や医療器具メーカーなど業界も含め”風吹けば桶屋”になっておるように思うのです。
病人を救うのが医療の役目であり、病人を造るようなベクトルは排除すべきなのですが。
何事も経済に絡めてしまい、それをおかしいと思わない、
人が生きる為の無情さにはせつなさを覚えますね。

んで、
「道」ぢゃ、
「タイタニック」では笑いを我慢出来た貴男でも涙をこらえられないでしょう。