「また動き出した俺たちの時間に」
「「カンパーイ!」」
男達は上機嫌だ。
それもそのはずである。彼らは約半年間も、今か今かとこの日を待ち望んでいたのだ。時には怪我、時には病(身体的なものも、精神的なものも)を越え、またこの日が来たのである。
彼らの旅路は時に過酷ではあるが、常に希望に満ちている。山を越え、海を渡り、風を切る。そう、彼らの相手とは自然なのだ。自然への挑戦、勝利した時の高揚感、最後に味わえる恩恵、それら全てが彼らを虜にして離さない。
今宵、彼らはまた旅に出る。
しかし、きっと無事に戻ってくるだろう。
大漁の手土産と共に。