2#純喫茶ダーティーベア?




閉店後のダーティーベア。各々片付け終わり帰る準備をしていた。


「俺はこの街でのミッションに参加しない。」


いち早く荷物をまとめた帝が、いつにもまして無愛想に言った。


「この町での仕事が終わったら戻る。店長にそう言っておけ。」


帝が出て行くよりり先に扉は開いた。 


「良かった!まだみんないたわね。」


金髪を三つ編みで纏めた、大柄の男が彼らの雇い主のローザ。


「売上金の回収ついでに、プレゼント持ってきたわよ。」



ディスクを一枚見せ、ニコリと笑った。






彼らは地下の部屋に向かった。


地下には家庭用プロジェクター、ソファーとテーブルがある。


「じゃあ、始めるわね。」


プロジェクターで映像が映し出される。  



『ダーティーベアのみっなさーん!ティキィです。 』


映像には水色のツインテールで羽の生えた妖精を模した少女が説明している。


『今回のお仕事は、女子高生失踪事件の解決です。最近この町では女子高生がいなくなる事案が何件も発生しています。ティキィの独自の調査で、女子高生たちは学校の中に閉じ込められてるというとこまではわかりました。でもどこに閉じ込められてるかまではわかりませんでした!』

てへっとティキィはおどけて見せた。

『学校に潜入して彼女たちの居場所を探し出しちゃってください!それじゃあ、ダーティベアの皆さんご武運を♪』


ティキィが締めくくると映像は途切れ砂嵐が映し出されていた。


ローザは灯りをつけた。


「いつも通り参加は強制しないけど、今回少し厄介な仕事になりそうなの。皆には出来るだけ協力して欲しいわ。」

「これは大変だね。一刻も早くお嬢さん達を助けてあげなきゃ。」

「雪花は参加で問題ないみたいね。」

「勿論。僕は全国の女性の味方だからね。」


雪花はメガネを直してヘラヘラと笑っている。


「ヒロちゃんとディアン君も問題ないかしら?特にディアン君は参加してもらえると助かるわ。高校に潜入して一番違和感無いもの。」

「俺は別にかまいませんよ。この街に居る間はその高校通うつもりだったし。つか、そのつもりでこの街連れてきたんでしょ?」

「ふっふ。ディアン君は物分かりがよくって助かるわ。」

「俺は金になるなら、どんな仕事でもかまいません。」


裕之は立ち上がり部屋を出て行った。


「あらヒロちゃん!話は最後まで聞きなさい。もう、自由なんだから!帝君はどうする?知り合いの居る街で仕事しにくいのは分かるんだけど、今回の事件は一筋縄じゃいかない気がしてるの。協力してくれないかしら?」

「断る。失踪とか言って、ただの家出じゃねーの?俺はこの街でのミッションには参加しない。身内にこの仕事してるのばれたら、やっかいなんてもんじゃねーだろ?」


帝はローザに店のエプロンを投げつける。


「しばらく、暇もらいます。」


荷物をまとめて帝も部屋から出て行ってしまった。


「ちょっと帝君!仕方ないわね…。今回は3人で仕事して頂戴。ミッションのプランはある程度立ててあるから、後で学校のデータと一緒に転送しとくわ。まあ、帝君が居ない分修正する箇所はあるけど。」

「それじゃあ今日のところは解散だね。僕はどうやって学校に潜入しようかな~。」

「あー、それなら手配してあるから安心して雪花。」

「そうなんだ!楽しみだな。それじゃあ、僕はこの街の素敵なお嬢さん達とお出かけしてくるね。」

「どの街に行っても変わらないわね。明日早いから、適当に切り上げてらっしゃいね。」


雪花は浮かれた様子で地下室から出て行った。


「ディアン君はあんな大人になっちゃダメよ。」


ローザは苦笑した。


「なりませんよ。僕も病院に行きますから、これで失礼します。」

「あー、そうね。新しい病院に移ってから行ってないものね。ヒロちゃんにも宜しくね。」

「わかりました。あと、ローザさん店閉めといてもらっていいですか?」

「いいわよ。閉めとくわね。」

「お願いします。」


ディアンも荷物を持って部屋を出てった。


「こんなに纏まりがなくって大丈夫かしら、この子達…。」


ローザは誰もいなくなった部屋で深いため息をついた。








 これは暇を持て余した私が、私の為に書いた某白い狩人のパロディである。


#1純喫茶ダーティーベア!


教室の片隅にいる女子高生たち。
「最近、学校の近くに喫茶店出来たの知ってる?」
「知ってる!イケメン店員らしいよ!!」
「じゃあ部活終わったら行ってみる?」
「いいね、煉も行こうよ。イケメンだよ!イケメン!」
「イケメン?何それ楽しそう!」
煉と呼ばれた赤い髪の女子高生は、友人達に満面の笑みで返事をした。


部活終わりに、彼女たちは喫茶店に向かった。
『純喫茶ダーティーベア』 
純喫茶という名前に恥じない、昔懐かしい外観の喫茶店。
彼女たちが扉を開けると、既に多く女性客で賑わっていた。

「いらっしゃいませ、空いてるお好きな席へどうぞ。」

人の良さそうな眼鏡の男が、彼女たちを案内する。
カウンター席の奥で珈琲を入れる小柄な男性と、グラスを拭いてる色の黒い男性が彼女たちに会釈した。
席に着くと今度は、ピンク色の長髪でとても無愛想な男性が、水とメニューを置いた。
「注文が決まる頃、伺います。」
煉はこの無愛想な男性に見覚えがあった。

「みかちん!!!!!」

二年前から音信不通になっていた従兄弟の皇帝。
煉が小さい時から知る間がらだったが、二年前失踪。
しかし、親族たちは『好きにさせよう』で一致。

「あれ!もしかして知り合い?こんなピチピチ女子高生と知り合いだなんて、隅に置けないねえ。」

ニヤニヤと帝に近づくメガネ。


「僕は露草雪花、帝くんの同僚だよ。あっちのカウンターにいる小さいのが裕行くんで色黒がディアンくん。みんなゆっくりしていってね。」


メガネこと雪花は自己紹介をして、自分の仕事へ戻って行った。

「俺がここにいるとか、誰も言うんじゃねーぞ。」

帝もそう言い残し、他のテーブルに行ってしまった。