ベーシックマスター | ポカポカの思いつき日記

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日常生活で思いついたことや思っていることを書き残すメモに近いブログ。

その昔『I/O』という雑誌があり、というか今もあるのだが、その雑誌の巻末の方に読者同士の’売ります買います’というコーナーがあり、いらない者と欲しい者とで金銭のやり取りの伴う商品取引を行っていた。

高校1年生だった当時バイトで得たあぶく銭でバイクを購入後もまだ金をを持っていた私は中学生の時から興味を持っていたPCを買おうと思い、毎月買っていたこの雑誌のこのコーナーを利用してPCを購入しようとした。

私はかねてから68系のフアンであり、そのためCPUに6800を積んだ当時としてはおしゃれなデザインであった日立のベーシックマスターという機種を2万円で購入するべく『I/O』誌の’売ります買います’コーナーで投稿したところ私の希望が載り、そして秋田の読者から2万円で売る、との連絡があった。私は早速手元にあった2万円を送り早く来ないものかとウキウキしながら待った。

お察しの通り待てど暮らせど相手側から商品が届くことは無かった。何回か催促のハガキを出したがもう少し待って欲しいとの返事のハガキが来るだけであった。私はすっかり詐欺に会った訳であった。

そうこうする内、私の興味はPCからバイク(CB50JX-II→CB125T)に興味が移っていたことと、大きな休みの度にバイトに励み金には全く困っていなかったこともあり、いい社会勉強になったと思って先のPCの件はすっかり忘れていた半年後ぐらいに突然最寄の警察署から電話があった。

私が電話に出ると例の秋田の詐欺野郎が私に対する同じような事件を全国に渡ってやっていたようで秋田で捕まったらしく、立件のための証拠固めのために私の供述調書、および秋田の詐欺野郎と交わしたハガキ類の証拠類の提出を求められたのであった。

翌日学校が終わってから最寄の警察に行き刑事と2人で3時間ぐらい掛けて供述調書を作った。といっても私は聞かれたままを喋り、それを刑事が文章にまとめただけであるが。それにしてもあの時の刑事の文章の上手かったことは今でも覚えている。ただカツ丼が出なかったのが残念であった。

その後の余談であるが、私が提出したハガキ等の証拠は後日無事に帰って来た。この辺りは警察は律儀である。そして私が騙し取られた2万円は、その後忘れた頃に秋田の詐欺野郎の親戚らしき人から手紙で送り返して来た。

恐らくあの当時まだ日本人は純粋だったので私と同じような詐欺に会った人が沢山いたと思う。

あの時もしベーシックマスターが私の手元に来ていたら大学は電子関係を選んでいたかも、さすれば人生も大きく変わっていたかも知れないと最近たまに思ってしまうことがある。