もう
海岸線を眺めるのはよそう
時間軸を操ろうとして
絶え間ない波の音を聞いていたのだけど
今日は時間軸は動かない
揺れるさざなみと浜風が
気だるい6月と一緒に歩いてるだけだった
海岸線はいつも
時間が止まっているようで
わずかに時を刻む
その答えを見つけたかった
海は遠い記憶を蘇らせる力と
忘れたい記憶を置いていく事ができる
郵便ポストのようなもので
ふと気付いた時に一通の手紙に出会う
そして、その郵便ポストの中には
時間軸の柱があって
ドラえもんのタイムマシンのそれがある
僕は郵便ポストを覗いてみたのだ
僕はそのとき
どっかの未来のお馬鹿さんが
地雷原踏んで時間軸を爆発させるのを見た
確かに時間軸の柱がそこにあって
爆発していた
膨張した時間軸が、一気に縮小し
固まるまでの数秒
僕と未来のお馬鹿さんは
目を合わせたのだ
だが、僕はどうする事も出来なかった
彼を手伝ってあげたかったが、
初めての経験だったし、彼も時間軸の修復を最優先に行動していた
それとも、僕が未来のお馬鹿さんと思っているのは単なる思い込みで
本当は時空警察かもしれないし、
時空泥棒かもしれない
ただひとつ
時間軸をほんの数秒
狂わせてしまったのは事実で
その瞬間、僕と未来のお馬鹿さんは共に時間を過ごした
何者かは分からないけど
海にはそんな力がある
ふと気付いた時に一通の手紙が届いた
彼からだった
僕は、時空郵便局局長の者である。
この前時間軸を狂わせてしまった件だけど、あの郵便ポストの中には君がいたと思う。
おそらく僕が時間軸を狂わせてしまったせいで、郵便ポストの中に入ってしまったのだと思う。この手紙を見ているって事は、しっかりと生きて君の時空へ戻れたという事です。私達、時空郵便局の仕事は捨てられた記憶と蘇らせる記憶を手紙に写し、それを保管したり送り届けたりすること。でも最近は邪魔ものが多くて、僕はあろう事か地雷原を踏んで時間軸を壊してしまった。あの時、君がポストを覗いていなかったら、こんな事にはならなかったのだけど、申し訳ない。だけど大丈夫。時空の修復は滞りなく終了したし、会議の結果、ポストはあの場所から移動になった。だからもう、君は海を眺める必要はない。新たなポストの場所は教えられないが、君の記憶まではいじくれない。だから大切にとっておいてくれ。そうすればまた手紙が届くはず。
君も知っているとおり、ふと気付いた時に一通だけ手紙は届くのだから