福島を1週間留守にして、昨夜遅く戻ってきました。
 季節はすっかり春から初夏へ。
 庭のルピナスが咲き始めてました。
 
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▲ねえちゃん、1週間も居なくてオレ様、さみしかったニャ。
 
 さてさて、このところ「美味しんぼ」の鼻血のことであちこち報道されていますが、地元新聞ではここのところ連日取り上げていて、びっくり。全国紙ではありえない反応ぶりですねえ。
 
 
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▲5月15日のスポーツ報知(福島県版?)。スポーツ新聞だけに扱いが派手
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▲5月13日。スポーツ報知
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▲5月9日、福島民友
 
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▲5月9日、福島民友新聞の読者投稿欄
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▲5月10日「福島民友」
 
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▲5月12日「福島民友」
 
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▲5月13日「福島民友」
 
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▲5月14日「福島民友」
 
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▲5月15日「福島民友」
 
なんだか、過剰に反応しているように思います。
 自民党がしゃしゃり出てくるのがおかしい。影響力があるって言っても、たかだか漫画なんだし、ここまで連日のように取り上げなくてもという気がしますが…。政治家まで動員して躍起になって反論しているってヘン。住民の帰還を推進したいだけに、水を差すような内容だから、でしょうか。
 
 
 ただし、福島県民としては、やはりこうした扱われ方は正直、不快ですね。
 
 鼻血や倦怠感が被爆によるもので、ときどき福島に来て滞在する人がそうなるなら、県民はもとより、もっと広範囲で症状が出るはずだし、モミ消そうとしてもできないほど問題になっているはず。少なくとも私の知っている範囲では鼻血なんて誰も出してないし、聞いたこともないです。そうした症状が少なくないのなら、どこかから漏れてくるはず。具体的に調べてほしいな。
 
 
 以前にこのブログでも書いた、福島県立医大の先生の見解です。
 
 この方は、東京出身ながら震災後も避難せずに福島市内に留まっていられます。実際に震災後もずっと福島で生活し、医療の現場を知っている方だけに説得力があります。先入観を持ってときどき来るだけの方々とは違います。
 
 
先生の結論は、以下。 
 
放射線の怖さは「どんな影響がおこるか知らない、解らないこと」「目に見えないこと」から来るものと思われます。
それなら、どんな影響がおこるか既に実証済みのタバコ、大気汚染物質、発癌性物質については、放射線以上にもっと怖がるべきなのではないでしょうか。

本気で気を付けるなら、放射線だけを特別扱いするのではなく、それらにも同様に気を配るべきだと思います。
 
 だいたい、この漫画の作者やスタッフが福島県内のどこをどう、いつ、どのくらい滞在して取材したのかわからないけど、大阪市の橋下市長が言うように「取材が甘い」のではなく、「福島は危ない」という先入観の下、結果ありきの取材をしたのでは? という気がします。取材対象も「放射脳」の人ばかり選んだか、そうじゃない人の意見は反映させなかったか。
 
 実際に漫画に登場した取材元、元岐阜大助教授の松井英介医師(山本太郎と同じ反原発団体の方だそうです)のことが書かれた記事↓
 
 
引用:http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2529.html
 小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」の漫画「美味(おい)しんぼ」に「岐阜環境医学研究所長」として実名で登場し、原発事故や震災がれきと鼻血の関連性を指摘している元岐阜大助教授の松井英介医師(76)=岐阜市=は12日、本紙の取材に「すべて事実。実際に異変を感じている人たちがいる」と主張した。福島県や大阪市などの抗議には「〝事実無根〟というのは、その人たちに失礼だ」と反論した。
 放射線診療が専門。福島県双葉町に依頼されて2012年度から町の放射線アドバイザーとして年間数十日、町内に滞在し、多くの被災者から「鼻血が突然出る」「せきが止まらない」「体がだるい」などの症状を聞き取ったという。

 「美味しんぼ」の原作者の雁屋哲さんと昨年末に出会い、4カ月にわたり「綿密な取材を受けた」と強調。問題の漫画を「子どもたちが読んで、自分の体の仕組みや放射線に関心を持ってほしい」と話した。

 うーん、この記事の中で大きな疑問なのは、「年間数十日間、町内に滞在し、」という点。知識のない人には、双葉町に滞在したのかと思われるし、この記事を書いた人もそう思ったのかも。双葉町に滞在するわけないじゃん。全員避難しているんだし。どこの町内だよ。いいかげんなこといってんじゃないよ。震災後の福島を知らない人が書いたのがバレバレ。
 
 
 それに、県外からときどきやってきただけの人が、本当に県民の気持ちをわかっているのか疑問。
 疲労感や倦怠感を感じるって、そりゃ年齢もあるし取材旅行で疲れが取れなかっただけは?
 
 もしかして、出版社と漫画作者の意図的なものでは? とも勘ぐってしまいます。
 
 少なくともマスコミに取り上げられて話題にはなっているわけで、5月19日発売号までこの話が続くというのでみんな買うだろうし。
 
 私自身、「えっ、『美味しんぼ』ってまだ連載してたんだ!」って今回の件で知ったし、読んでみようという気になってます。というか、まだ実際の漫画を読んでないので、批判はこのくらいにします。
 
 また、この漫画の本当の意図は鼻血ではなくこれだと思うけど、鼻血がやたら問題になってしまってます。写真: 鼻血よかこっちですよ、
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