今回は番外編。
 というより、大っぴらには書けなかったことを。そろそろ時効かなということで。
 
 ●圏内侵入を警察に見つかり、始末書を書かされました
 
 忘れもしない、2011年8月22日。
 埼玉のIさん夫妻(ジロさんレスキューで一緒だった)、みやさん、たけさん、私、それにボランティアで来ていた大学生男子の6人3台で、楢葉町の乙次郎林道より圏内へ侵入。浪江町某所で猫(ペコちゃん)を保護したあとのことでした。
 
 大熊町の病院駐車場でしつこい尋問を受け、道の駅ならはへ連行されました。
 このころは圏内の動物を持ち出してはいけないことになっていたので、荷物検査されてペコちゃんが見つかったときは焦りましたが、Iさんがとっさに「この猫は来る途中、川内村(20㎞圏外)で保護したんです」と機転の利いた嘘を言ってくれたおかげで、連れ帰ることができました。
 
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ペコちゃんは、たまたまき休憩で入った場所で偶然に発見。私の猫鳴き声に反応して出てきて、みやさんが手で捕まえてくれました。残念ながら保護後しばらくしてから、衰弱死。
 
 
 
 ●警戒区域内でキャンプしちゃいました
 
 2011年11月2日。
 そのころ、毎週圏内へ侵入して給餌レスキューしてくれていた、びびさん情報で、浪江町の某所に子犬7匹がいるということで、たけさんと2人で侵入。
 
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▲NDGの車を借りていきました。「整備したばっかりだからバッチリ!」とB氏が言っていたので安心していたのに、未明に圏内への抜け道の林道を抜けて国道288号線に出たところでエンジンストップ! オーバーヒートです。ガガガガーン! 警察の出勤時間なので、見つかったらアウト。かなり焦りました。なんとか国道から見えないところまで移動し、エンジンルームを見てみると…、なんとラジエータホースが外れていて冷却水がダダ漏れでした。レスキュー用の水を持っていたから補給できたけれど、圏内では水も手に入らないから水を持ってなかったらアウトでした。
「整備したばっかり」じゃないの? 
 あとでB氏に問いただしたら、「水温計も見られないヤツが悪い」だって。整備バッチリと言われたし、暗い中、緊張しての出動だったから普通はチェックしないでしょう。ほんとうに整備したのか疑問。
 
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▲親犬(左は母犬の「もも」。右は父犬ではなく子分の「まこちん」)を焼き鳥作戦でおびき寄せるたけさん
 
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▲こんな材木置き場が子犬の住処でした。狭い隙間に声を殺して潜んでいました。母犬の「もも」に、「敵に見つかっちゃうから鳴いたらダメよ」と言われていたのでしょうか? なので初めのうちは、子犬がいるとはまったくわからず、「どこかに移動しちゃったのかな」なんて話していたのですが。
 よーく見ると隙間に居るのを発見。これらの大きな材木を2人でエッチラオッチラと移動し、最後は箒を使って押し出して7匹の子犬を保護しました。
 
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 びびさん情報でも子犬は7匹だったので「これで全部」と安心したのですが、母犬の「もも」がしきりに材木の下に顔を入れてクンクンと鳴きます。
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▲「もも」がしきりに鳴くのです
 
 なんだろう? と思ってもう一度材木の下を覗いてみると、なんともう1匹いました! 声も立てずにじっと動かなかったのでまったく気が付きませんでした。
 
 「これで全部。あとは親犬保護だ」と、2人で倉庫にテントを張って寝たのですが、夜中にキュンキュンと子犬の声がするではありませんか! どうやら、ももと一緒に外出していた仔が戻ってきたようでした。この子も保護。結局全部で9匹も産んでいたのです。ここは給餌器が2つもあり、フードにはありつけていたようで、9匹とも痩せてなかったし、「もも」と子分の「まこちん」も元気でした。
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▲「もも」と「まこちん」。「もも」はここのお宅の飼い犬でした。まこちんは不明
 
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▲「もも」の後ろにいるのが、おそらく父犬。
 
 私たちと交代で、びびさんチームが親犬捕獲に来てくれて、「もも」と「まこちん」も無事に保護され、2匹一緒に茨城県の里親さんのもとで暮らしています。先住犬のポテパンと一緒に、「今日のわんこ」にも出演しました。
 
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▲たけさんと2人、無人の浪江町で「ナイト給餌」。ももたち以外の犬の声も聞こえました。このころはけっこう犬が残されていました。なお、現在、ここは避難指示解除準備区域になっています。
 
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▲「もも」と「まこちん」にいじめられていた、「トミー」。ガリガリでした。ケージはなかったのですが、洗濯ネットに入れて一緒にキャンプ。テントの中でオシッコされて臭いのなんのって。
 その後、同じく浪江町で保護された「ナミオ」と一緒に同じ里親さんのもとで幸せな猫生を送っています。ありがとうございます。
 
 
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▲宮城の萩さんが描いてくれた「もも親子」のイラスト。
 
(つづく)