T町、O町へ行ってきました。
 ディア・ママと一緒です。今回は中の世界も含めた活動なので、持ち込むフードも多くポイントも多いので時間がかかりました。朝の2時40分に自宅を出て向かいましたが、さすがにつらいなあ。同じ福島県とはいえ、中通りにある我が家から原発被災地が位置する浜通りまでは決して近くはありませんので(茨城県からのほうが近いんですよ)。といっても、東京から来るディア・ママに比べれば半分以下ですが。
 
 10月に入って一気に秋になり、この日は小雨模様で肌寒い1日でした。そのせいか、猫はチャトラを1匹見かけただけでしたが、生きている証はあちこちで発見しました。
 
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▲T町役場で給水。地下水ですが、水道と簡易トイレがあります。役場で何やら建設中で、工事が始まっていました。
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O町。国道6号線はこんなフェンスだらけです。
 
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T町。草に飲み込まれた車2台
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▲人間のいない町ではイノシシが闊歩しています。「ブヒー!」と一声鳴いて去っていきました。後ろは咲きはじめのセイタカアワダチソウ。原発被災地はもうすぐ一面の黄色い海となります
 
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▲最近では珍しくなったタヌキ。2匹見かけました
 
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▲T町にて。震災後からずっと避難しないで警戒区域で暮らしている松村さんが世話している牛たちです。ほとんどの牛は餓死または殺処分されてしまいましたが、こうして生き延びている命もあります。
 
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▲T町の公園。もう犬を散歩させる人なんて誰もいないのに。と思いきや、解除された区域では、ときどき住民の方が飼い犬を連れて戻ってきていて、散歩させていることもあります。普通の町ではあたりまえの風景なのに、ここではびっくりする光景なのです。いつぞやは、転車で日本一周している若者までいました。
 
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▲T町。幹線道路は少しずつ補修されている一方で、交通量のない生活道はこんな感じ。自然の力で破壊されつつあります。写っているのはディア・ママさん。10月になって作業服も衣替えだそうです(後姿を撮ってくれと強要されたので公開します)
 
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▲依頼者のお宅にて。猫たちのごはんのほか、家の中の掃除もします。
 
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▲ここは忘れもしない、ジロさんの家です。あれから2年半も経ったのに、何も変わっていません。
 
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▲2011年5月16日。この写真は「にゃんだーガード」の写真展のPRによく使われたもので、ジロさん保護の瞬間です。そのときの記事は、こちら
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▲私は右の太っているほう。左は同行したSさん夫妻の奥様。
 
 ジロさん保護のときは絶妙な連携プレーで、ジロさんの飼い主のタロさんの友人であるゆうさんが、「友人の飼い犬がまだ取り残されている」、ということをツイッターでつぶやき、それを埼玉の動物ボランティアのSORAさんが拾って、私が道案内をし(楢葉へ抜ける林道を知っていたので)、目的の家へ行ったら、ジロさんが「待ってたよー」という様子でベランダにちょこんと座っていたんです。一同、「ホントにいたー!」とびっくり。しかも、「家族以外だと寄ってこない」とのことだったのに、おとなしく首を垂れてリードを付けさせてくれ、ケージもなかったので、Sさんの奥さんの膝の上に乗って釣れだしたのでした。
 
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▲2011年5月、楢葉町。あのころは、あちこちで犬が放浪していました
 
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▲2011年5月。楢葉町のとある牧場。水も餌もなく力尽きて行く仲間を見守ることしかできない牛たち。持っていた水を全部あげてきましたが、あのときの、あの牛たちの悲壮な鳴き声は耳にこびりつき忘れることができません
 
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▲2011年5月。楢葉町。水浴びをしているのではなく、ぬかるみに嵌って抜け出せず、死を待つばかりの牛たち。詳しくはこちらを。
 
 東日本大震災から2年半以上が経ち、福島のことさえ忘れられている現在、被災動物に目を向けてくれる人は本当に少なくなりました。
 主だった動物愛護団体も、福島での活動をストップし、本拠地に戻って福島の被災動物を預かり世話をする方向にシフトしています。現在、最前線でレスキューをする団体、個人はごくごくわずかです。
 
 こうした状況の中、「福島被災動物レスキューRAIF」は、今でも被災地に残されている命を一匹でも多く救いたい! と設立された団体です(NPO団体申請予定)。
 
 メンバーは福島で活動する大手愛護団体を通して知り合ったボランティアで、より効率的で動きやすい活動をしたいという共通の思いをもとに、新しく団体を立ち上げた次第です。
 
 資金不足のほか、全員が他に仕事を持っている状況もあり、今しばらくはシェルターを持てませんが、メンバーとサポーターによるフォスターペアレント制度を活用し、本当に頑張ってくれている動物愛護活動家の方々を経済的、人的、精神的にサポートしていくことをメインに頑張っていくつもりです。
 
 今回の給餌で使用したフードも、「福島被災動物レスキューRAIF」に支援されたものを提供していただき、東京の拠点からディア・ママが運び込んでくれました。※私も福島の支援者さんからいただいた分を持ち込みました。ありがとうございます。
 
 不定期にしか活動参加できない私も、無理のない範囲で人的な応援を続けていきます。みなさんも、ぜひぜひ、できる範囲でのご協力、ご支援をお願いします。