友人の温泉ライター、西村りえさんと一緒に福島の温泉地をいくつか回ってきました。来年1月、ラジオの仕事で4回連続、温泉を紹介するので、福島の温泉の現状を知っておきたいということで、運転手役を買って出ることにしました。
横浜在住のりえさんですが、大震災直後の昨年4月初め、いち早く福島の温泉地へ駆けつけ、あちこち取材してくれました。そのとき私が手伝っていた「犬猫みなしご救援隊」のシェルター(当時は福島市内)にも来てくれて、その後も被災犬猫の飼い主探しのポスターを自費で作成、自ら福島県内の避難所、旅館、仮設住宅、役場そのほかたくさんの場所に貼りに来てくれて、何匹かはそのポスターのおかげで飼い主が見つかっています。
まずは飯坂温泉へ。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/a0/c6/j/o0400026714651780651.jpg?caw=800)
![イメージ 11](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/61/bc/j/o0400026714651780654.jpg?caw=800)
▲左が飯坂温泉のシンボルでもある共同湯の鯖湖湯。右は共同湯のひとつ「切湯」。入浴料はどちらも200円。
![イメージ 12](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/6c/cb/j/o0400026714651780657.jpg?caw=800)
![イメージ 13](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/b1/52/j/o0400026714651780662.jpg?caw=800)
▲「吉原食堂」の餃子とソースかつ丼
観光協会や共同湯などでいろいろお話を聞いたあとは、鯖湖湯にざぶんと浸かり、地元の方ともお話できました。温泉街を歩くお客さんもちらほらいて、けっこう活気が感じられました。昨年よりもずいぶんと客足が戻ってきているということです。
次は、飯坂温泉のお隣、穴原温泉へ。猫のいる温泉宿「おきな旅館」へGO!
「おきな旅館」には、看板猫が4匹もいて、猫好きにはたまらない宿です。
捨て猫だった母猫の「たらこ」と、その娘猫たちが出迎えてくれます。この日は母猫「たらこ」は放浪中。娘たちが出てきてくれました。
![イメージ 14](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/33/49/j/o0267040014651780666.jpg?caw=800)
![イメージ 15](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/52/10/j/o0267040014651780670.jpg?caw=800)
▲左が次女の「ぐれこ」、右が四女の「あんこ」(ん?もしかして、どっちも「ぐれこ」?)
![イメージ 16](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/f3/cc/j/o0267040014651780673.jpg?caw=800)
![イメージ 17](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/62/7e/j/o0400026714651780675.jpg?caw=800)
▲長女の「びびこ」は名前の通りの性格で、すぐに引っこんでしまいました。ファミリーの写真を見せてもらいましたが、三女の「おとら」だけは里親さんのものでかわいがられているそうです。
どの猫もちゃんと避妊手術もしているし、かわいがられて大事に飼われています。
「里子にもらってくれる、という話もあったけど、『ネズミ取りに便利だから』『子供がほしいって言っているから』という人には絶対に渡さない」
とのこと。そこまでちゃんと思ってくれているのはホンモノです。どの愛護団体でも、里親さんには厳しい条件をクリアしたうえで、お宅訪問などもして、ちゃんと飼ってくれる人にしか渡しません。
子猫や子犬が産まれたら川に流すとか、雪に埋めるとか、ネズミ獲り用に雌猫だけ1匹残してあとは川に流す、という蛮行が今も平然と行われている福島の田舎の現状を知っているだけに、「おきな旅館」のような心ある人がいることにほっとします。
実際、母猫の「たらこ」は、ずぶぬれでけがをした状態で見つかったそうです。
猫とまったり過ごさせてもらったあとは、高湯温泉へ。
「あったか湯」と「吾妻屋」さんで話を聞きました。高湯温泉は磐梯吾妻スカイラインの入口にあり、白濁した硫黄泉が掛け流しという、お湯自慢の小さな温泉地ですが、県外の観光客も多くなり、震災前の状況に戻りつつあるようで、ちょっと安心しました。
すでに暗くなってしまったので、この日は宿泊地である「大玉温泉 金泉閣」へ直行しました。ここは、あの因縁の「フォレストパークあだたら」へ向かうすぐ手前にある一軒宿です。立ち寄り入浴もしたことなかったけれど、掛け流しの純重曹泉で、なかなかよいところでした。
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/90/91/j/o0400026714651780680.jpg?caw=800)
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/6e/a7/j/o0400026714651780682.jpg?caw=800)
▲左は外観。12月1日の朝。けっこう雪が降っています。右はロビー。とっても豪華な雰囲気で大規模旅館に見えますが、客室は10室のみでゆったり空間
![イメージ 9](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/7a/b0/j/o0400026714651780684.jpg?caw=800)
![イメージ 8](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/e1/70/j/o0400026714651780686.jpg?caw=800)
▲左は、震災後、しばらくここで避難生活していた富岡町の方のパッチワーク作品。講師をされているだけあって、見事な作品ばかり。右はロビーの一画にあるいろりスペース。この日は雪景色になってました。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/ef/f5/j/o0400026714651780689.jpg?caw=800)
▲アメニティが入った袋は会津の織物。大小あって、持ち帰ってもOK。タオルも旅館名じゃなくて椿の刺繍が入っていて素敵です。これも持ち帰りできます
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/99/28/j/o0400026714651780694.jpg?caw=800)
![イメージ 10](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/79/ee/j/o0400026714651780695.jpg?caw=800)
▲夕食も朝食も手の込んだ品ばかり。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/51/cc/j/o0400026714651780699.jpg?caw=800)
▲露天風呂は混浴です。湯は独自源泉のかけ流し。弱アルカリ性の純重曹泉でヌルヌルした肌触り
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20191128/12/pocoyuko/f2/26/j/o0400026714651780700.jpg?caw=800)
▲内湯は熱い湯とぬるい湯に分かれていました。
この宿も震災後はしばらく富岡町の方が避難生活をしていたそうです。
いろいろお話を伺ったのですが、宿を始めたきっかけがちょっと変わっていて、もともと一家で横浜に住んでいて福島には何のゆかりもなかったのに、現オーナーのおじいさんが20数年前に全国放浪している間に、いきなりこの旅館を建ててしまったとか。しかも、本人から報告はなく、別な人から
「お宅のおじいさんが、福島で温泉旅館を始めたよ」
「ええっー!」
といういきさつだそうです。おじいさんはその時すでに70歳すぎ。オーナーのお父さんは若くして亡くなっていたので、結局、孫夫婦が旅館を引き継ぎ、今に至る、というわけです。
このほか、岳温泉でも観光協会でお話しを伺ってきました。全般的には昨年より観光客は増えていて持ち直してはいるけれど、大型旅館などは団体客や修学旅行が激減したので、大変なようです。