ぽこです。
 
16日(月)に、牛たちの悲痛な叫びを聞いてから、ずーんと暗い気持ちでいました。
気になって気になって。そこで、21日(土)に田村市に拠点を置く「にゃんだーガード」さんへ行き、犬の散歩や猫の世話などシェルターの仕事をしてから昼ごろ、16日と同様に保護活動へ出てきました。牛のために大量の水を1BOXに積んで。
 
 
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▲川内村。林道途中の一軒家にいる2匹は元気です。沢水がチョロチョロ流れ込む池もあるので、水も心配ありません。右の「ヤマ」がダニまみれだったので、次回はフロントラインを持ってきてあげよう。「チビ」は相変わらず警戒心が強くて寄ってきませんが、餌の心配さえなければ、このままここで2匹で暮らすのもいいかもしれません。
 
いよいよ、牛です。牛舎へ向かうと、なんと飼い主さん親子が来ていました。
 
 事情を聞くと、いわきの避難所から定期的に通ってきていて、ちゃんと水と餌を与えているのだとか。面倒見る人がいないと思っていただけに、安堵したのですが…。
 
 牛を牛舎に囲い込んだのは行政ではなく、飼い主さん。放牧すると水を求めてぬかるみなどにハマって動けなくなってしまい、重機などもないので助けられないのだそうです。実際、現在もたくさんの牛がぬかるみから抜け出せないまま、死を待つばかりの状態でした。
 
 牛を牛舎から出したのは、おそらく貼り紙をした愛護団体でしょう。実際、私も放してあげたほうが生きられる、と思ったのですが、こうして世話をしに来ている事実がわかれば別です。また、牛舎から出してそのへんの草を食べて内部被ばくする心配もあるので、放されては困るのだそうです。
 
 現在、殺処分になるのかはっきりしません。乳牛なので搾乳をしないといけないのですが、それもできない。けれど、とにかく、今は命をつなぐために世話をしているそうです。
「牛のことは自分たち酪農家が一番わかっている。50年以上もやっているんだから。牛のことを知らない愛護団体がかわいそうだから、と勝手なことをされるのは困る。もし、広報できるなら、そういう事情をいろいろな人に伝えてください」
ということです。
 
 130頭いた牛は、今は半分以下になってしまい、来るたびに死骸を片づけるのが何よりつらいと。
 
 
 
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▲ぬかるみにハマって抜け出せない牛たち。すでに息絶えているものもいました。
 
原発事故さえなければ。
 先日、石巻被災地を見てきたけれど、津波の被害はひどいものでした。が、復興に向かって前進していて、復興支援の車で周辺の道路は渋滞、高速道路も混んでいました。
 それに比べて福島は20㎞圏外でさえも避難している人が多く、車の通りもごく少なくて、ゴーストタウンの様相のところも少なくありません。いつになったら終束するのか、終わりが見えない中で、どんどん命が失われていっています。