4月22日0時に原発から20㎞圏内への立ち入りが禁止になってしまいました。
 
 そのため、最後となる21日はけっこう多くの方が圏内に入って荷物を運び出したりしていました。
 私は20日に引き続き、「犬猫みなしご救援隊」からも保護出動を頼まれたのですが、1週間前にコンタクトを取った双葉町住民のバスツアーのヘルプへ。
 このツアーは愛護団体が保護するのが難しいペットでも、飼い主さんならすぐに保護できるから、ということで「エンジェルス」という、やはり動物愛護のNPO法人が主催し、ボランティアの方がバス運行するという形で、すでに2度、運行されています。
 残念ながら今回が最後になってしまいますが。
 
 私はバスで埼玉の避難所から双葉町へやってきた被災者の方をバスが発着するJR双葉駅前から自宅まで送迎するという役目です。その行き帰りに「エンジェルス」の方々と行動を共にし、20㎞圏内に残っている動物を保護しました。
 
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▲いわき市小川町にある「エンジェルス」さんの拠点。10名程度のボランティアさんがいました。この方は愛知から。失業中なのでしばらくここでボランティア活動するとか。ボランティアさんは近くの公民館で寝泊まりできるそうです。
▲(右)DJ村内さんという方も、4月1日から「エンジェルス」さんと一緒にペットの保護活動に専念しています。後ろ姿だけ公開OKとのことですが、イケメンです
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▲3日前に保護されたビーグル。繋がれたままで餓死寸前のところを救助されました。当初は点滴で治療し、かなりよくなったそうですが、まだごらんのとおりガリガリ。
▲(右)「エンジェルス」さんの拠点は「りみちゃんヒルズ」というドッグパーク。商売返上で開放しています。21日朝の時点で20頭くらい? 他の拠点に移したコも多いとか。出発前でバタバタしていたので詳しい状況を聞く間がありませんでした
 
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▲一般車は常磐道いわき四ツ倉以北は走れませんが、緊急車両は入れます。ここは高速を降りて一般道(国道6号線)を走っているところ。補修などされていないので、あちこちで亀裂、陥没しています。気を付けて走らないとパンク、脱輪します。JAFなど当然来てくれないし、他車の救助もアテにできません。
 
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▲双葉町の「双葉ペットセンター」。ジャックラッセルテリア、パグなど子犬が数匹、ガリガリに痩せて死んでいました。花を添えて遺体は回収、持ち帰って埋葬します。
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▲双葉町のペットレスキューバスとの待ち合わせ地点、双葉駅前。ここからそれぞれに住民を乗せて各人の家へ送迎します。
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▲私は床屋さんのおじさんを乗せて行きました。ペットの猫「フク」は見当たらず。「フクー、フクー」とおじさんがいくら呼んでも来ません。気配もありません。近くの神社に猫がたむろしていたという情報をもとに、そちらへも行ってみましたが、猫は一匹も出てきません。ただ、隣の家の庭に猫のトイレ場所があり、そこにフクのものかわからないけれど、新しいウンチがあったので、どこかで生きているだろう、あるいはひとなつこい猫だからどこかの団体に保護されているかもしれない、と一縷の望みを持って戻るしかありませんでした。
 市民の方に許された時間は1時間ほどしかなく、家族に頼まれた探し物も全部は発見できませんでした。バスに乗り込むときおじさんが流した涙が胸に染みました。自分の町がこんな状況になってしまい、いつ戻れるともわからないなんて。
 
避難するときに「フク」も連れて行きたかったのだけど、どこかに行ってしまって見つからなかったのだとか。我が家の近所の猫どもも地震の日、一斉にどこかへ行ってしまいました。「トラ」が戻ってきたのは翌日の午後。その間に避難命令が出たら、私もやっぱり連れて行けません。
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▲双葉駅前通りにあるゲート。今となっては皮肉なスローガンです
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▲双葉町内。駅前付近だけでも地震の被害はけっこう大きいですが、補修も何もされずに放置状態です
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▲保護されたコたち。元気なコも居ましたが、繋がれたまま衰弱し、足腰が立たないコもいました。他にも個人的に犬猫保護活動している方も何組か来ていました。みんな、今日が最後ということで必死です。
 
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▲原発から500m(?)くらいの家で、3匹の犬を保護。
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▲残念ながら、ゴールデンレトリバーは、鎖が柵の針金にひっかっかった状態で死に絶えてました。せめて放してあげていたら生きていたのに。死骸も持ち帰ります。
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▲22日0時からまったく立ち入り禁止になる3㎞圏内に2匹で居ました。警戒心がかなり強く、1匹はすぐに逃げ、もう一匹も近づいてこなかったので捕獲できませんでした。たくさんのフードを置いてきましたが、このコたちは野犬化するのでしょうか。生きていけるといいのですが。
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▲第一原発正門
 
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▲今日で最後なので、残された動物たちが少しでも生きながらえることができるよう持ってきたフードをあちこちに置いていきます。
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▲JR大野駅近くの新聞店は犬の巣になっていました。ここを根城に20匹以上も集まっていると思われます。柴犬系の雑種が多いのが特徴で警戒心が強くて逃げて行ってしまいますが、黒い雑種のコが1匹だけノコノコとやってきたので保護。ひとなつこいコでした。
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▲震災以来、廃墟となったJR大野駅は犬たちの集会場。犬が集まっているのを知っている団体があちこちに餌を置いて行っているので、当面は大丈夫ですが、その餌がなくなったらどうなるのか。
 暗くなるまで活動し、いわきの拠点に戻りましたが、途中で「犬猫みなしご救援隊」のバスを発見。たぶん、夜中0時ギリギリまで居たか、あるいは泊まっていったか。いずれにしても頭が下がります。
 
今後の活動はどうなるのでしょうか。私が次回行けるのは来週の半ば。まだまだ終わりが見えませんが、できる範囲のお手伝いをしていく所存です。