突然思いついた作戦を実行するべく、竜飛崎から弘前へ。
途中、「道の駅いまべつ」でお昼ご飯。この一帯では他に選択肢もありません。
道の駅といえば、普通は独立した施設だと思うのですが、津軽半島のこのあたりではちょっと違っているようで、竜飛崎の「道の駅みんまや」は博物館が道の駅を兼ねているし(しかも冬期は休業)、ここも鉄道駅が道の駅になっていて、郵便局なども入っています。
▲これが「道の駅いまべつ」。パチンコ屋さんではありません
▲道の駅「いまべつ」の食堂メニュー。(左)紫麺(しーめん)は古代米を使ったお米の麺。500円 (右)は津軽定食。名物のイノシシ肉を使っています。800円
弘前目指して走りますが、その前に温泉です。弘前市とその近郊にはたくさんの温泉があり、知る人ぞ知る温泉天国なのです。共同湯風だったりスーパー銭湯のような立派な施設だったりしますが、どこも400円前後の低料金で利用できるし、源泉掛け流し率もかなり高いのがうれしいところ。ハシゴ湯するのも魅力ですが、作戦遂行のためには時間も節約ということで、7月にぽこが来たときに感動した「新屋温泉」をチョイス。
「新屋温泉」といえば、緑色を呈した硫黄泉(含硫黄ーナトリウムー硫酸塩・塩化物泉)で温泉好きには知られています。男女別内湯だけのシンプルな浴室ではありますが、タイル張りの浴槽の真ん中から湯があふれ出し、新鮮な湯だけに泡付きもすばらしい。黒い湯花もごく少量見られます。硫化水素型となっているけれど、白濁していないので、硫黄型なのじゃないかと思うのですが…。(硫黄泉にも2種類あるのです)
▲入浴料金は350円。朝5時から7時30分までは朝湯料金で200円(冬期は7:30~)
▲(左)硫黄の成分でカランも真っ黒。(右)何の変哲もない住宅街にあるので、見つけにくいのが難点
温泉のあとは、いよいよ作戦開始です。
ぽこけんのイケてる作戦。それは…、街の居酒屋へ繰り出すこと!
前橋のときのように駅前のビジネスホテルに泊まれば簡単なのですが、今回は車中泊。さて、どうするか。
地図を見ると、道の駅「いなかだて」から弘南鉄道の「いなかだて駅」まで歩いて行けそうな距離なので、車を道の駅に置いて、電車で弘前市中心部へ往復すればOKだと思ったのですが、けっこうな雪が降っているので歩くのもつらそうだし、駅へ偵察に行ってみると片道400円以上もします。時間もけっこうかかりそうです。
そこでもう一度地図を見ると、同じ弘南鉄道の駅で、「うんどうこうえん」というところを発見しました。
運動公園なら広い駐車場があるはずだから車も問題なく止められるだろうし、ひろさき駅から2つ目なので距離も近いし運賃も安いはず。
ということで、そちらへ移動。
狙い通り、駅のすぐ前に大きな公園があり、トイレもあるし駐車場もありました。ここなら大丈夫と判断し、さっそく電車で弘前市街へ向かいました。
▲(左)「うんどうこうえんまえ」駅です。無人駅です。右側が運動公園になっていて、駐車場から駅まで徒歩5分もかかりませんでした。電車は1時間に2本の運行なので終電時間もしっかりチェックしておきます。弘前まで2駅だけなのに260円はあまり安くないけれど仕方ありません。
▲(右)電車は4両編成。思っていたよりはたくさんの乗客がいましたよ
6時30分ころに弘前駅に到着。思惑通り、駅前には我々が目指す居酒屋がありました!
90分飲み放題(1000円)で日本酒4合を飲み、刺身や焼き鳥など居酒屋メニューを堪能。いい気分で酔っぱらい、ごきげんなけんいちです。
21:40の終電よりも少し前に「うんどうこうえん」で待つわが「梵号」に戻り、またしても日本酒を飲むけんいち。自分のナイスな作戦にも酔っております。「この方法なら八甲田でスキーをしに行くときにも使える」、とご満悦です。
ということで、満足した気分で眠りに入ったのですが…。
夜10時すぎ、窓をトントンと叩く音が! 懐中電灯で照らされたので仕方がなくドアを開けると、なんと警官が立っているではありませんか!
「もう公園は閉まるんですけどね~」
どうやら夜10時に駐車場の入り口もトイレも施錠するらしいのです。うーん、そうだったのか。(公園の中のトイレは24時間開いてましたが)
「いやあ、お酒飲んじゃったので運転できないし。明日の朝一番で、出ていきますから~」
といいわけをしてその場はOKとなったものの、翌朝4時、再び「トントン」、と窓を叩かれて起こされました。今度は昨夜と違って若い警官でした。しっかり業務連絡を受けていたようです。
そういえば、ここのトイレに「トイレ内で煮炊きをしたり寝具を持ち込んで泊まるのは禁止」などと張り紙がありました。たしかに、キャンプ場と言ってもいいくらいの素晴らしい環境なので、夏などは泊まってしまうひともいるのでしょう。
そういうわけで、「いい場所見っけ~」と喜んでいたぽこけんでしたが、やっぱりここも安住の地ではなかったのでした。
朝4時に起こされ、仕方がなく暗いうちから弘前を出発。何もなければ8時ころまでグースカ寝ていたに違いないので、1日を有効に過ごすことができたということで、よしとしましょう。
つづく