昨夜のTV番組「世界の果てまで行ってQ」で、コリオリの力について放映していました。
 「コリオリの力」とは地球の自転によって働く力で、台風などの渦が北半球では時計回り、南半球では反時計回りになるという現象が起こります。

 番組の中では商売人が小さな入れ物で実験していて、ちゃんとその通りに渦ができ、赤道上では渦ができずにまっすぐ落ちていて、それらしく説明していましたが、みんな騙されちゃいけません。
コリオリの力は台風などの大きな現象のときに働くもので、小規模の渦ではそのときの力の具合とか排水口の開き方などによって変わってくるのです。つまり、あんな小さな道具では渦の方向が一定しないはず。


 私も常々、不思議に思っていたのでケニアで実験したんです。自分の道具で自分でやってみること、これが大事です。
 赤道上には、TVと同様に、「コリオリの力」を見せる商売人が待ち構えていました。最初は400円くらいのことを言うので、「自分でやるからいい」と断ると、いきなり30円くらいになったので、とりあえず見せてもらうことにしました。

 商売人の実験は、赤道から南半球側、北半球側に20m(最低これだけ離れないと力が作用しないと言っていました)ずつ離れた場所でやってから、赤道の真上でやってくれます。たしかにそのとおりに渦を巻いていました。ここでは小枝を使っていて排水穴から落ちる渦の向きがちゃんと時計回りかそうでないか、よくわかるようになっていました。

 ただ、排水穴やたらと小さいのです。
 そこで、自分でペットボトルを持ち込んで同様に実験してみました。ただし、排水穴は商売人のものより少し大きめにして。
 ところが、何度やっても一定しなかったのです。赤道の真上でも必ずどっちかに渦が巻くし。しつこく2時間もやっていましたが、一定しませんでした。私が実験している間、商売人は顔を出さず。

イメージ 1

ケニアの赤道上で「コリオリの力」を見せてもらっているところ。このあと自分で実験しました

 つまり、やっぱり「コリオリの力」はそんな小さな渦には作用しないのでした。商売人はそんなことはちゃーんと知っていて、うまく道具を使って見せるわけです。まあ、単純に喜んであげたほうがよかったんでしょうね。かわいくない客でしたねえ。スミマセン。でもTVでちゃんと「コリオリの力」は小規模な渦には関係しない、と正しい知識を教えてあげないといけないと思うのですが。