昨夜、けんいちが一生懸命鳥海山の記事をアップしていましたが、実は重要な事件を報告していません。
 けんいちは自分に都合が悪いことは書かないし、同行のむうさんも「とてもアップできない」というので、私が報告することにしました。もしかするとあとでけんいちがこの記事を消してしまうかもしれません。
 
 事件とは、「けんいちの遭難」です。ちょっとオーバーな表現ですが、このくらい言ってやらないと反省しないので。

 遭難事件は登山開始40分後くらいに起こりました。
 ある斜面を3人で登っているとき、むうさん、私は左のほうのルートを取ったのに、けんいちだけなぜか藪の際のルートを歩いていたのです。仕方なく、私とむうさんは斜面の途中で別ルートを歩くけんいちのことを待っていたのですが、なかなか来ません。途中までちゃんと姿を確認していたし、藪を越えていくルートはないので、ここに来るはずなのに。

「きっとウンチでもしているんだよ。けんいち、得意だから。スキーを脱いで藪の中に入っているんじゃない?」
 と私は推測しました。しばらくかかるだろう、と待っていたのにやっぱり来ないので、むうさんがスキーを脱いで探しに行ってくれました。ウンチをしているのなら、スキーは脱いでいるはずなのに、見つからないし、藪の間で一ヶ所抜けられそうなルートがあり、そっちにスキーの跡があったので、行ってみたけどけんいちの姿はなかったし、呼んでも返事がなかったといいます。

 どうしちゃったんでしょう? まさか神隠しでもないだろうし。クレバスにも落ちていませんでした。

 この状況を見る限り先へ進んだとしか考えられず、仕方なくけんいちが行ったと思われる藪の中のルートを私たちはたどりました。別ルートへ行くとすれ違う可能性がありますから。この間のロスタイムは30~40分。
 まあ、どこかで待っているだろうと思って進むものの、なかなか見当たりません。普通ならどこかで待っているはずなのに。携帯電話で連絡しようにも、けんいちはあえて持って行かない人なので(なぜかわかりません。注意しても持っていきません)、せっかくむうさんのmovaが圏内(けんいちもmova)なのに、電話もできません。
 結局再会できたのはさらに30~40分後のことでした。けんいちは私たちのはるか先をガシガシ登っていたのでした。

 聞くと、私たちのいた方向へ進もうと思ったけれど、クレバスがあったので進めず(そんなことはなし。実際私とむうさんはその道を戻ったのですから)、あとで合流するだろうと予測して藪の中のルートを取ったそうです。ところがなかなか藪が切れず、私とむうさんが待っていた地点に戻ったのはかなり時間が経っていて、すでに私とむうさんはけんいちの取ったルートをたどっている途中でした。

 それで先に行かれたと思ったけんいちは、猛スピードで登って追いつこうとしていたそうなんです。

 自分が隊長だと張り切っていたくせに、この有様です。私たちとはぐれてしまい、けんいちは泣きそうだったそうですが、私は怒り心頭、むうさんも不安げでした。

 まあ、この日は見通しもよくてはぐれても山頂付近では必ず会えるだろうけれど、一応隊長を自認していたのなら、もう少し気を配るべきですよね。少なくとも別ルートを行くときはひと声かけるとか、探しに戻るのなら同じルートをたどるとか、携帯電話を持っていくとか。
 まったく、他人に対する気配りがないけんいちです。むうさん、すみませんでした。とりあえず無事に山頂に立てたからよかったですけど、きっとけんいちの気配りのなさは直らないと思うので、これからはその点に十分留意しておつきあいください。
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小さな亀裂がたくさん入っています。この斜面がけんいちの遭難現場。このあと私とむうさんは左手へ、けんいちは藪沿いに進んでいきました
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無事に合流してほっとしたのか、今度は本当にウンチをしに行ったけんいち。ティッシュも持たないので、いつも私に「紙、ちょうーだい」といいます。これは終わって残りを返しにきたところ
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暑いのでズボンの横のチャックを全開にするけんいち。モロ出しです