ここに流れついて3年がたった。

俺とおひちゃは村の人たちの世話になり、仕事をもらって、なんとか暮らしていた。

昼間、俺はサトウキビ畑で収穫を手伝ったり、それを交易で買い付けに来るチナの大商人の帆船に積み込んだりした。

 

チナは軍事大国で、この海域から西に一大交易ルートを築いていた。

オイローパとか、伝説の暗黒大陸にまで商圏は伸びていた。

行く先々の国に大金を貸し付け、利息が払えない国を支配下に置いた。

 

おひちゃは、うるしの樹液を村の女たちと採取していた。

この村のうるしは上物で、村で一番の特産だ。

これもチナの商人が買い付けて、たくさんの砂金を置いて行った。

 

宗教というものは、世界からなくなっていると思っていたが、その村では存在した。

村人は親切だったが、俺が村人の律法に反すると、しばしば祈りの家に閉じ込めて、反省させられた。

何が律法かわからない。ある香草を食べられなかっただけだ。

 

反省する対象、偶像というものはない。

心の中が神殿だと言う。

村では「過ぎ越しの祭り」があると言って、ざわついていた。

 

仕事が終わると特にすることがない。

俺は自分の顔の上をおひちゃに跨ってもらい、おひちゃの匂いを間近に嗅いだり、舐めたりした。おひちゃが「あ!あん!」と可愛くあえぐのを聴いた。

 

俺はおひちゃの複雑な裂け目を見て、ウナギの稚魚が湧きあがってくる東南海にあるという深い海の割れ目に思いを馳せた。

 

おひちゃは俺に、「ねえ私は幸せになれる?」と聞いた。

「もちろんだよ。おひちゃ。」俺はそう答えた。

「大サクセスストーリー大会だよ!おひちゃ。」

「まあ!大サクセスストーリー大会なのね!」おひちゃは無邪気に喜んだ。

俺はおひちゃの可愛らしい口を吸い、乳房をもみ、俺の硬くなったものをおひちゃの中に入れ、からだを動かした。

おひちゃは高い声を上げた。

 

俺たちの行為を見ているものがいる。

ひとつは「ざざ虫」だ。

 

 

 

 

 

ざざ虫はずいぶん昔はオイローパで「事務員」というのをやっていたらしい。

なんかこう「不条理」な目にあって、このような虫になったらしい。

先祖の名をザムザという。

こいつら一族が気流に乗って渡来した。

さて、このざざ虫、村の各戸に1匹づついる。

ざざ虫は何の役にも立たない。

ただ、夫婦が子作りしていると、天井の梁に張り付いて、行為を見ている。

時々天井から落ちて、背中を床にして脚をじたばたさせている。

おひちゃは愛情深いので、そんなざざ虫を起こしてやる。

 

もう一人、俺たちの行為を眺めているのがいる。

オカピである。

 

 

オカピは、シマウマとウマと、キリンとジャッカルの合いの子らしい。

人間ではない。

 

オカピは嫉妬、悪業、因業、情欲、すべての悪を体に宿している。

オカピは、人々の契りが好きで、耳をたてて、クリクリ方向を変え、聴いている。

オカピはそのぎょろぎょろした目で、行為を見る。

オカピは珍宝を激しくたてる。

オカピの珍宝は根元が太く先は細い。3尺ほどもある。黒光りしている。

オカピは、俺たちの行為を見ながら、自慰する。

オカピは呪いを軒先に射精する。

 

ある日、おひちゃが水浴びしていた時、オカピが襲いかかった。

俺はその現場に居合わせたが、不覚にも両足を開脚して、木と木の間に引張って結ばれ、拘束された。

両手も同じであったが、上半身は余裕があった。

 

 

オカピはおひちゃのあそこをなめ始めた。

よっぽど気持ちの良いなめ方をしたのか、おひちゃは潮を吹きながら喘いだ。

俺はおひちゃのそんな感じ方を見たことがなかったので、勃起した。

でも、手足を縛られているからどうにもならない。

せめても、自慰したくなった。

俺は、体が柔らかかったので、自分の珍宝の頭を、自分でちゅぱちゅぱして、上下に動かし自分の中に出した。

 

オカピは油断していた。

珍宝はおひちゃのやわらかい乳房に突き刺さり、先が包まれて身動きが取れなくなっていた。

 

村中のざざ虫の群れが飛んできて、オカピに群がった。

オカピはざざ虫の脚のじたばたで、調子が悪くなって、気を失った。

 

過ぎ越しの祭り当日に、村人たちはオカピを火あぶりにし、神に捧げた。