カピバラパパです。
今日から俺という。
普段は俺だからだ。
今日、職場に人事課の咲きさんがまたやって来た。
今度は俺に用があるのではなく、真向かいに座る社員に用事があった。
この社員は広島大学卒で、今度咲きさんが会社の説明会に行くのだそうだ。
だからあらかじめ、広大の説明を聞きに来たそうだ。
この子が来ると、職場が華やいで、みんながぱっと明るくなる。
広大の説明を聞いた後、俺のところにギリシャの補足説明を聞きに来た。
咲き:ギリシャ本土はどうなの?
カピバラ:ギリシャは島だけが良い。
本土はアテネ以外汚い。
アテネもパルテノン神殿だけが見どころだ。
コロンビアの第2の都市メデジンでコロンビア政府とメデジンカルテル(麻薬マフィア)が戦争した。
その時期に俺はメデジンにいた。
戒厳令がしかれて道路には5mおきに兵隊が銃を持って並んでいた。
あの時はものすごく緊張したものだ。
ところがギリシャはと言えば、道路沿いに孕んだ犬が5mおきに昼寝している。
どんなに奮闘的な人間でもやる気がなくなるだろう。
咲き:なんでギリシャの仕事なのにイタリア人と一緒だったの?
カピバラ;俺はイタリア人か、スペイン人とでないとダメなんだ。
ギリシャは本来はドイツ駐在所の管轄だったけど、俺はドイツ人が大嫌いだったから、事務所に断った。
イタリア駐在所に応援要請した。
イタリア人の名前は一人はファビオ、もう一人はマッシミリアーノといった。
マッシモが最大の意味。英語ではmaximum
彼のゴッドファーザーがマッシモだった。
同じ名をもらったけど、彼の親がそれでは恐れ多いと、その名の後に最小という意味のミリアーノを付け加えた。
英語ではminimumだ。
「最大最小」という漫才コンビみたいな名前のやつだったけど、滅茶苦茶繊細なやつだった。
ギリシャの工場が滞在費を毎週支給してくれることになっていた。
そこの女事務員が礼儀というか、しゃべり方を知らんやつで、How much do you want ?
とつっけんどんに言ったもんだから、彼は大いに傷ついて、あんな言い方はないだろ?と一日中めそめそ泣いてたよ。
俺とファビオは慰めるのが大変だった。
大体の人はイタリア人って、めっちゃ明るくて、底抜けに明るい、でも仕事しないというイメージがあるだろ?
俺の中ではそんなことない。
めっちゃ陽気だけど、めっちゃ繊細で、人情味があって、泣いて、くそまじめに仕事する。
ドイツ人はその真逆だね。
たいていの人の認識とまったく逆だね。
ヨーロッパにいる、ほとんどの日本人はドイツ人が大嫌いだった。
俺は、あとしばらくしたら仕事をやめる。
そしたらもう一度イタリアに行く。
イタリア国立のペルージャ外国人大学に留学しようと思っている。
そこはフィレンツェの近くにある。
でも妻は、俺の体つきは野垂れ死にしそうだから、そんな遠くで野垂れ死にされたら俺を回収できないと猛反対されている。
咲きさんは大笑いした。
さて、うちの咲くはこんな社交的な芸当は全くできない。
小学校の頃から先生と衝突していた。
たぶん、今も世の中の目に映るすべての事どもに因縁をつけて、下膨れの顔でにらみつけているだろう。
でも、俺は何も心配しない。
あれは理系だけど、ビジネスの才がある。
自分のビジネスモデルで月収60万もらっている。
俺より稼いでいる。
咲きさんじゃないけど、それこそ、アイツ関しては
なんくるないさ