季語 あめんぼ<三夏・動物>
足元の沼に、小さなあめんぼが泳いでいる。
ふと上に目をやれば、太くて高い煙突が立っている。ああ、あれは焼場の煙突だったのだ。
この句の中での、あめんぼと煙突は、様々の対比によって描かれています。小と大、低と高、動と静、そして生と死。
作者はどちらにより心を寄せているのか。
切れ字「や」の付いているあめんぼでしょうか。
中七下五をたっぷりと使って、焼場の煙突の景を描きながら、忙しなく生きて動くあめんぼに心を寄せている。
対比するものの景を描きながら、真に描きたいことを感じ取らせる表現方法が、巧みだと思いました。
句は、現代俳句文庫11 辻桃子句集<ふらんす堂>より抜粋しました。
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