大学時代の友人、吉元くん。
留学先のウィーンから帰ってきてからずっと、アマチュア合唱団や器楽アンサンブルの編曲や指揮に取り組み、生涯学習や地域の文化活動の発展に大きな成果をあげています。いつも素晴らしい音楽に出会える事を楽しみに、出来るだけ本番を聴きに行って感想を書くのがいつの間にか私の習慣になりました。

そんなわけで、シューベルト・コーアが発足した当初から私も気付けば10年聴き続けていますが、この団の「常に進化を追い求める」姿勢と、「音で結果を出す」責任感に毎度感動して会場をあとにするのです。

さて、その記念すべき10周年の節目のコンサート。10月23日土曜日の昼下がりに、この団の演奏を聴こうと集まったのはなんと1500人を超える満員のお客様!私はいつもは2階に座ってましたが、今回は2階の埋まるスピードが速かったので3階の最前列に。
結果、ブレンドされた音がとても美しく立ち昇って来てなかなか良かったです。お身内の方はどうしても顔が見たくて1階に行きたくなりますが、たまには気分を変えて3階、オススメですよ!

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プログラムに入る前にオープニングとしてシューベルトの『セレナーデ』。この団のテーマのようにいつも歌われてきました。
何度も本番乗せている曲ですが、聴くたびにフォルテの厚みと音質がまろやかになってきているのを感じます。そんな、叩きつけるような強さではなく限りなく暖かいフォルテと、ふっと落とすピアニシモとのコントラストがたまりません!

団の代表トモコさまと、墨田区長の挨拶の後、第一部スタート。
★団員の平均年齢71.25歳(!!)にどよめく客席!!

1.オペラ「椿姫」から  乾杯の歌
吉元さんのこだわりの一つ、ステージ正面のパイプオルガンを飾る、様々な色の照明。3階だとよく見えて楽しいですよー!
お祝いの場にふさわしい、華やかな響き。3階から聴いても細かい言葉がはっきり聴き取れる発音の良さが冴えていました。

2.ホフマンの舟歌
ストリングスの音色で奏でるキーボードとピアノ、うっとりする美しさですね〜。吉元編曲のいいところは、器楽部分を疎かにせずしっかり聴かせどころとしてイントロを存在させているところ。さらに、そのストリングスの延長のように合唱団のハミングが重なってくる美しさったら、他では聴けない音の世界です。

3.オペラ「トゥーランドット」から  誰も寝てはならぬ
ここでも、フォルテの響かせ方が綺麗になったなあと関心しきりでした。難易度高い名曲、歌いきりましたね。ソプラノさん、Aの音とか最後の方のHの音を張るとことか、本当に頑張りました。3階にもきっちりいい音程で飛んできましたよ!

4.オペラ「ルサルカ」から  月に寄せる歌
イントロのピアノ、とても素敵。天使の奏でるハープのよう。
歌に入ってからは、ハミングの支えと、メロディの子音の発音が美しいなと思いました。「光」の【ひ】とか、「あの人」の【ひ】など。。。
そして、「あふれる愛」の「あーふー」の所。オクターブ跳躍が華麗に決まってて良かったです。

5.オペラ「アイーダ」から  凱旋の合唱
人気のある曲なので、アマチュア合唱団でも取り上げられることも多いでしょうが、こんなにきちんとピアノとキーボードとドラムでオーケストラの雰囲気を作りながら歌える団はなかなかないのではと思うのです。そして、日本語詩がとてもわかりやすいので、オペラを見たことある人もない人も、共に楽しめますね!
本来は男声合唱で歌われる、僧侶のフーガの部分、キビキビしていてリズムも言葉も立っていて良かったです。凱旋行進曲のトランペットに挟むルルルなどの歌声もハッとさせられる美しさでした。

はー、これで第1部終了。長いので一度切りますね。
第2部に続きます!