昨日は、聖路加国際病院礼拝堂にてオルガンコンサート「夕の祈り」でした。
教会では今日まで、クリスマスです。
ツリーもまだちゃんとあります。
さて、新年最初のオルガニストは、いつもお世話になっている、我らが小野田良子さんの降臨!!
オルガン演奏 : 小野田 良子
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
H.コッター: コッヒェルスベルガーのスペインダンス
J.シベリウス:悲しみの曲
J.S.バッハ: トリオ・ソナタ第4番 ホ短調 BWV769
いや~、最初からもうどうしようかって思うぐらい、刺激的かつ緻密な組み立てのトッカータとフーガ!
こんな超有名曲を、聖路加で良子さんの演奏でまさか聴けると思っていなかった。
フレーズの遠近感を本当に大切に考えた、派手さに頼らない堅実なレジストの中にも冒険心も随所にちりばめられてる感じで。
若きバッハの野心がほとばしり出てくるような!
この時点ですでに脳内メロメロ。
次の曲では、即興を織り交ぜた良子さんならではの演奏。
私の脳内では、古楽器の金管アンサンブルに素朴な打楽器を組み合わせて演奏しているような音が流れてきた。
傍らではバロックダンスのステップが。
5度の間隔の2つの音を、ずっと伸ばしている上に即興のメロディを乗せていくんだけど、5度の音程をずっと聴いているとこの音程の持つ「安定と不安定の交錯する響き」がじわじわと私の脳みそを浸食してきて、やばい薬のような(やったことないですけどw)恍惚。
そして楽しみにしていたシベリウスは、不協和音の絶望感の中にも、遠くから光が差してくるのがチラチラ見えるような、非常に魅力的な曲でした。
悲しみだけではないのよね、と良子さんがおっしゃってましたが、本当にさまざまな感情が心に湧いてくる。
そして、なんといってもこれです!!最後に演奏されたバッハのトリオソナタ
ものすっごく難しい曲なんだそうな!!
とてつもないほど準備には苦心したとのこと
よくある演奏では、「ほらほら、こんな難しい曲弾いちゃってんのよ、どう?」みたいな身構えた感じに仕上がってしまうことも多いそうで。
でも、良子さんはあくまでも「楽しく聞いてもらいたいから」、って
突き抜けた何かを感じさせる、聴く側にとっては本当に幸せな「翼を持ったような」「羽ばたける」演奏
終楽章で私の耳には、軽やかに手足を踊らせる良子さんの向こうにドラムスの音が聞こえてきた気がした!
やはり ジャズなのだ!
(この感想を良子さんに言ったら、「そう!それなのよ~!」ってとても喜んでおいででした。)
今日の終演後、なんと良子さまの演奏打ち上げ兼新年会のお席に、私たちの仲間も混ぜていただき楽しいひとときを過ごせました。
良子さんの音楽へのやまぬ愛情や、わたしたちのような音楽を演奏する人へのアドバイスやら、辛口トークやら・・・良子さんも上機嫌にたくさんお話ししてくださり。あぁしあわせ。
特に心に残ったのは
「自分の演奏が世界一!!あたし以上の演奏なんて出来るヤツいないでしょ、あたしが一番!すごい、キレイ、いけてるっていう気構えを持ってステージに上がらなかったら、お客はつかめないのよ。」
「自分が自分の演奏を自信持ってお出し出来なかったら、お客さんが聴いて素晴らしい!って感動してくれるはずなんかないじゃないの。」
ははぁぁ~。勉強になります。
そうだよね、考えたら当たり前なのかも知れないけど。
はい、今年はもうちょっと強くなろうと心に誓いました。
良い意味でずーずーしくなることって、アーティストには不可欠なのよね。
良子さん、かっこよすぎます。。。。。