今年もあとわずかです。
私には、年末に限らず、
1年中引っかかっている想い、いつも、心の片隅に置いている気持ち、信念のようなものがあります。
それは、感情というよりは、自分に対する『戒め』のようなものでもありますが…。
私は、ヤマハ音楽教室でシステム講師として、
1週間に129人の生徒を担当していた時代がありました。
ここでいう『システム講師』と『ヤマハ講師』の違いは、
グループレッスンを担当できるか、個人レッスンしか出来ないか、の違いがあります。
テレビCMで流れているヤマハ幼児科CMの、あれがシステム講師、と言うと、わかっていただけるかと思います。
今だから言えますが、とてもじゃないけど、
129人も教えられませんでした。
ただただ毎日、決められたカリキュラムに沿って、馬車馬のように働き、
教えるというよりは
『レッスン回数を消化する』
感じでした。
完全に、指導とか、そういうものの許容範囲を遥かに超えていました。
土曜日だけで、48人もの生徒が習いに来る…。
金曜日の午前中だけで、15人の3才児クラスを2クラス、30人、そこに、同じ数のお母さんに、下の子供連れ…。
1週間と言っても、ヤマハの稼働は4日、残り2日は、自宅のレッスン、日曜日は、グレードテストの試験官の仕事や、コンサート、イベントと、ほとんど休む暇もなければ、自己研鑽なんて、程遠い…。
私は、当時の生徒さんの顔はおろか、
名前も覚えていません。
幼児科2年間の終わり頃になって、ようやく顔と名前が一致。覚えた頃に、進級でサヨウナラ…。
もう、かれこれ18年くらい前のことになりますが、ずっと、ずっと、
当時の生徒さん、ごめんなさい。
と、謝り続けています。
別に私が望んで、担当した訳でもないし、楽器店から与えられた『仕事』と割り切ってしまえばいいのかもしれませんが、やっぱり、それはできない。
当然ですが、身体も壊して入院しました。
あの時、たくさんの生徒さんを担当し(教えた、ではない)たくさんのものを失いました。
イコール失ったものは、得たものでもあり、ヤマハを辞めてから今まで、本当に、熱意と愛情と信念を持って、レッスンして来ましたし、生徒さんを大切に大切にして来ました。これからも、変わらず今以上に、精進して行くつもりです。
あの時代があるから、大切に出来るものがあります。
感謝です。