困った本を読んでしまった
この本を読むと
むやみに草取りができなくなるのだ
それは
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稲垣栄洋著『身近な雑草の愉快な生き方』ちくま文庫
例えば<ホトケノザ>
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何やら妖精のようにも見えるこの花で
道端でよく見かける花だ
(画像は昨年の3月16日に撮影)
この花は唇に似ているので唇形花と呼ばれているそうだが
その後の一部を引用してみる
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 下唇には目を引く美しい模様が描かれている。この模様が空中を飛ぶハチへの標識になっている。さらにこの下唇は少し広くなっていてハチの着陸場所としてヘリポートのような機能も持っている。標識を見つけたハチはこの模様を目がけて着陸するのである。
 下唇に到着すると、上の花びらには花の奥へ向かっていくつもの線が引かれている。これがガイドラインと呼ばれるもので、ちょうど着陸した飛行機を誘導するラインのように、ハチを蜜のある場所へ導く道標の役割をしているのだ。そして、ハチを花の一番深いところへと導いていくのである。(中略)
 花は細長く、なかへ入るほど細くなっていく。こうしてハチが花のなかを進んでいくと上唇の下に隠れていた雄しべが静かに下がってくる。そして、蜜探しに夢中なハチの背中に花粉をつけるのである。(以下略)
 
いかがだろう
ホトケノザの花にこんな秘密があったとは
殆どの方はご存じなかったのではないだろうか
花粉を運んでもらうために
花は涙ぐましい努力をしていたのだ
画像は昨年の3月に撮った物だが
そのときにこの花の秘密を知っていたら
撮り方がもう少し変わっていたかも知れない
 
もう一つ
<スギナ>の項を見てみよう
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 (略)スギナとツクシは同一の植物である。ただし、ツクシはスギナの子どもではない。スギナは他の多くの雑草と異なり、シダ植物なので胞子で増える。ツクシはこの胞子を作る胞子茎であり、普通の植物では花に相当する器官である。
 
ということなのだが
「スギナの仲間はおよそ3億年前の石炭紀に大繁盛」
したのだそうだ
「当時はスギナに似た高さ数十メートルにもなる巨大な植物が、地上に密生して深い森を作って」おり
これが長い年月を経て石炭となり
人間社会にエネルギー革命をもたらしたのだそうだ
 
 何度となく絶滅の危機を乗り越えたスギナは、今も危機管理を怠らない。その秘密が地下のシェルターである。地上にはわずか数十センチ程度の茎を伸ばすだけだが、用心深く、地上に根茎を張り巡らしているのである。この根茎は地中深くまで縦横無尽に張り巡らされ、文字どおり暗躍をする。(中略)
 かつて原子爆弾を落とされ、すべてを失った広島で、真っ先に緑を取り戻したのがこのスギナだったという。地中深く伸びていた根茎がシェルターのように熱線を免れたのだろう。(以下略)
 
我が家の庭にもこのスギナが出てくるのだが
取っても取ってもあちこちから出てくるわけがこれで判った
原子爆弾にも負けないのだから
我々が勝てるわけがない
スギナの危機管理に脱帽するしかない
 
他にも
曼珠沙華(彼岸花)は殆どが同一のクローンだという
こんなビックリすることや
いろんな草花の驚くべき智恵や努力が紹介されている
この本を読んで草取りが簡単にはできなくなってしまったのは
どうやら私だけではないらしい
<文庫版あとがき>に
「雑草がいとおしくなって、草取りができなくなってしまいました」
という反響も多く寄せられていると書かれていた
さもありなん
あなたも読んでみれば
草取りができなくなること
まちがいなし
 
今日もジムへ行ってきました。
ストレッチの後で7種類の筋トレ。
それからマシンラン。
時速9.0㎞で走り出して徐々にペースアップ。
今日も20分過ぎに水分補給。
このときにジムへやってきたカミさんとちょっと会話。
それからまた走りだして、
最後は時速12㎞まで上げて、
30分間で4.8㎞の距離でした。
終了間際の心拍数は156でした。