昨晩は酷かった。理由も無く薬を大量に摂取し、其れを三七度の酒で体内へ流し込んだ。始めの5分位(これ位の時間ですら判らないのだから既にこの時の私は記憶が無いの部類にあったのかも知れない。)は良かった。だが、心地良いな、とか、ずっと続いていれば良いのにな、とか思っていたのに急に視界がぼやっとして・・・。気分が悪く、今にも吐きそうな中、化粧箱を引っ張り出して化粧を始めた。お年頃でも在り、元来、やりたいと少しでも思えば行動する人間なのだ。必死に、本当に必死に何時も通りの手順で化粧をした。何とか最後まで手順を終えたものの完成形を見る前にトイレへと駆け込んだ。嘔吐したのだ。そこからの記憶は曖昧だ。というか無いに等しいだろう。もう一生こんな事するまい、と思ったかも知れないし、記憶が無いからこそまた経験したい、とも思ったかも知れない。

 昼頃に目が覚めたが身体は思う様に動いてはくれなかった。吐き気、気怠さを感じながら顔を洗い、歯を磨く。嘔吐物の匂いが鼻の穴にずっと残っている。深呼吸をする。薬と酒の臭いも微かにあった、気がする。