私の実家は商売をしている。
父がこの店を一から立ち上げ、母と親戚皆で軌道に乗せ、
50年の歳月を汗と涙で頑張ってきた。
お陰様でその町ではちょっと名の知れた店となった。
その一代で築いた店を今日で閉めることとなった。
理由は近くに流れている川にかかる橋の建て替え工事に
伴い、実家の立ち退きが急遽決まったからだ。
50年という半世紀を、お客様への奉仕の精神でひたすら
誠心誠意接してきた両親の姿に、いつしか「信用」というものが
人々の間に浸透していったのであろう。
店を所狭しと埋め尽くしていた商品は、常連さんの口コミで
宣伝も何もせずに殆どが完売した。
買い物に来られた方々が口を揃えて
「残念でたまらない!淋しい。」
「これからどうしたらよいのか・・・。」
と涙ながらに言われる・・・。
本当にありがたいことだと心から感謝した。
それと同時に改めて両親の偉大さに気付かされた。
こんなに皆様に愛され、惜しまれ、店を閉めることができ、
父も母も満足だったと思う。
50年・・・半世紀、雨の日も風の日も、朝も夜も、
二人三脚で一生懸命ひたすら走り続けた人生。
お父さん、お母さん、
本当にお疲れ様。
私も短い間だったけど、一緒に仕事が出来て、本当によかった。
少しだけ親孝行させてもらいました。
これからは夫婦二人でのんびりゆっくり第二の人生
楽しんで下さいね。
私も今年は転機を迎えます。
どんな方向に向かうのか、まだわからないけど、
今後とも宜しくお願いいたします。