そんな風に見つめられていると時々つらくなる事
もあるんだよ──
僕はお前が思うほど大したモンじゃないんだぜ。
その点、お前より以前に家にいたニャンコなんて
よく心得ていたもので、たまに外で雀やコオロギ
を捕まえてくるとワザワザ僕の前にもってきて、
獲物をみせてくれたものさ。
別に自慢したかったワケじゃなく、自分の生き様
をね、それで僕に教えたかったんだよ、きっと。
子猫のころから知っている僕だって、まるで子供
扱いなんだから──
実際、目の前で食べ方まで教えてくれた時は悲鳴
をあげて逃げ出しちゃったくらいだからね。
気位は高かったけど、とても家族思いで優しい子
だったよ。
それでも、自分が猫だってコトは、決して忘れな
かったし、そんな風に無暗に信じきった目で僕を
見る事もなかったよ。
むしろ情の深い、母親のような慈しみの眼差しを
していたっけな・・・
ニャンコみたいに生きろとは、言わんけど、人間
との付き合いなんて、猫っ位に程ほどにしといた
方がいいんだからさ。
生きてたら、いつかはどっちか先に『さよなら』
言わないといけないんだから、だから、あんまり
僕をそんな目で見つめないでおくれよ。
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