歩いていよう

立ち止まらずに

考えないで

歩いていよう

涙はふかずに

心をとじて

歩いていよう

瞳を開いて

耳をふさいで

歩いていれば

すこし心が暖かく

歩いていれば

すこし涙もかわくかな

歩いていれば

歩いていれば
母親に背負われた大きな瞳が、わたしをじっと見ている

心の中を見透かされていないかと戸惑う自分がいる

大きな二つの眼は遠慮がちにわたしの心を覗いてる

まばたきもせず大きくひらいた目は、わたしの汚れた心を気の毒そうに覗いてる
わたしの汚れた瞳ではあなたと話しはできないけれど
今のあなたの優しいひとみを真っ直ぐ見てはいけないことだけは分かる

あなたを背負うお母さんと、あなたに語りかけるお父さんは、大丈夫、あなたとともに歩んでいきますよ、と伝えたかった、

3人の瞳は耀いていたもの

わたしの濁った心でも、耀いて見えたもの


あなたの大きな瞳は、わたしに何を語りたかったんだろう
信じる人の心を

欺き

蔑み

嘲笑い

引き裂いて

あなたは何がほしいのですか

わたしはすこしの食べ物と
信じてくれる、一生懸命信じてくれるまだ悲しげな人の心で

何も不足なんてないのに

でもわたしもその悲しげな人を裏切ってしまいそうになる

まだあどけない、その悲しげな顔に澄んだ涙が走る

わたしも、あなたと同じなのかな

あどけない悲しげな顔の人の、信じる心を裏切りたくはない

わたしの汚れた心にも煤けた涙が滲みます