※ 記事の更新がないときは、過去記事、もしくは、右下のツイッターに科学ニュースなどを載せていますので、そちらをお楽しみください。
いつの間にか、
月イチの更新になってしまいました
しかし、
ホント、寒いですね。。
今週木曜は、全国的に寒いようです
札幌 -1℃
大阪 -1℃
広島、名古屋 -2℃
高知 -3℃
んん?
札幌が -1℃で、高知が -3℃?
ま、とにかく寒そうです
ご自愛ください
このブログでは脳科学の話題を
中心にお送りしているわけですが、
脳の活動ってことは、
ニューロンの活動のことね、
とお分かりいただける方も多いと
思います
脳にはニューロン(神経細胞)が
たくさんあって、
複雑なネットワークを構成することで
高度な情報処理をこなしています
では、
脳にはニューロンしかないのか?
もちろん、
血管もたくさんありますが、
脳の情報処理の主体としては
ニューロンだけを考えたらよいのか?
というと、そうではありません
では、何でしょうか?
はい。そうですね
グリア細胞 です
グリア細胞もニューロンと同数程度に
たくさんあります
以前のエントリーでも少し書いたことが
ありました
グリア細胞にも
いくつか種類がありまして、、
というのは、
以下のページをご覧ください
拙ブログ:2013/10/30
『脳の影の主役? グリア細胞』
最近、報告された論文によりますと、
ヒトの未成熟のグリア細胞を
仔マウスの脳に30万個移植したところ
1年後には、
少なくとも40倍の 1,200万個にも
増加したとのこと
Windrem MS, et al. (2014)
"A Competitive advantage by neonatally engrafted human glial progenitors yields mice whose brains are chimeric for human glia"
Journal of Neuroscience 34(48): 16153 - 16161.
あ、ヒトのグリア細胞は、
臓器提供を受けた胎児から得ています
上記論文では、
マウスの脳で、ヒトのグリア細胞が
めちゃたくさん増えたよ
ということしか書かれていませんが、
著者のインタビュー記事によると
そのようなマウスでは
記憶力がよくなる傾向にあることも
分かっているそうです
脳の情報処理は、
ニューロンだけでなく
グリア細胞も関係するのですね
そう言えば、
ちょっと前に、京大の研究成果として
ヒトiPS細胞でグリア細胞の元になる
細胞をつくって、ALSモデルマウスを
長生きさせたという報告もありました
京大 iPS研のプレスリリース
「ヒトiPS細胞由来のグリア系神経前駆細胞移植でALSモデルマウスの生存期間を延長」
Kondo T, et al. (2014)
"Focal transplantation of human iPSC-derived glial-rich neural progenitors improves lifespan of ALS mice"
Stem Cell Reports 3(2): 242-9.
doi: 10.1016/j.stemcr.2014.05.017
ALS(amyotrophic lateral sclerosis)は
筋萎縮性側索硬化症で
運動ニューロンが変性して
徐々に筋力が低下していく難病で
治療法も確立されていません
運動ニューロンの機能低下が原因、
ではありますが、近年の研究により
グリア細胞も関わっていることが
分かってきています
筋萎縮性側索硬化症
上記の京大の研究では
iPS細胞を使って、グリア細胞の元に
なる細胞を作って、マウスの腰髄
(背骨の腰の辺り)に移植したところ、
移植細胞は、グリア細胞の一種である、
アストロサイトに分化し、
8%の日数だけ長生きしたとのこと
8%では分かりにくいですかね
ALSマウスの寿命が平均150日だった
のに対して、今回の処置で162日と
12日ほど長生きしたそうです
ALSは運動ニューロン主体の病気ですが
ニューロンの活動をサポートする
グリア細胞を増やすことで
治療しようという試みです
グリア細胞でいろいろな神経疾患が
治療できるのも近いかもしれませんね
(おしまい)
文:生塩研一
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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