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モンティ・ホール問題の話が

2回続きましたね


拙ブログ『思ってたんとちがう。。 事後確実の落とし穴(1)』


拙ブログ『思ってたんとちがう。。 事後確実の落とし穴(2)』




モンティ・ホール問題は

途中でハズレがバラされた後、

つまり、

確率計算に関わる情報が増えた後で、

確率がどう変わるかという

事後確率の問題だったのでした



今回は、

それと同様に事後確率で

よく話題に出る、病気にまつわる数字

についての話を書いてみたいと思います




何だか最近調子が悪いな

時間が経ったら元気になるだろう、

と思っていてもなかなか良くならず

病院で検査をしてもらうことにした、

という状況を思い浮かべてください



お医者さんに診てもらって

ひと通りの検査をします



一週間後、

検査結果を聞きに再び病院へ



もし、何かの病気だったらどうしよう?

不安な気持ちいっぱいで診察室へ



検査結果は、まさかの陽性



がーーん!



陽性と聞いた瞬間、

何を言われても上の空



私、どうしよう。。。



実際には、

その病気にかかる人の割合は1%

つまり、100人に1人としましょう



検査で 100% はありません



本当に病気にかかっていても

陰性と出る場合もあります



病気にかかっていて、検査で陽性と

出るのを「感度」と言います



この場合、90%にしておきましょうか



つまり、病気にかかっていたとしても

1割の人は検査で陰性と出るわけです



逆に、

病気にかかっていなくても

陽性と出る場合もあります



これを、偽陽性といいます



それから、

病気にかかっていないときに

検査でちゃんと陰性と出る確率を

特異度と言います



特異度を 95%とすると、

病気にかかっていない 100人を

検査しても5人は陽性と出るわけです



この事後確率をちゃんと計算するのに

使うのがベイズ推定という方法です




上記リンク先の Wikipedia にある

確率計算をします



検査で陽性と出た後に病気である確率は

病気の人で陽性と出るケースを A

病気でないのに陽性と出るケースを B

とすると、A / ( A + B ) で求まります



まず、A ですが、

病気にかかっている人1%のうち

検査で陽性と出る確率ですから

1% の感度 90% で、0.9%



分母のもう片方である B は、

病気にかかっていない人99%のうち

検査で陽性と出る確率で

特異度95%を考慮して、陽性は 5% で

99% の 5%ですから、4.95%



結局、陽性と出た中で

病気にかかっている確率は

0.9% ÷( 0.9% + 4.95% ) = 15.38 %

と計算されます



今回の架空の病気(有病率1%、

感度 90% 、特異度 95% )の場合、

検査で陽性と出ても

実際に病気なのは、15.38% に過ぎず

6人に1人程度なのです



病気でない確率は、

100% - 15.38% = 84.62% ですから



8割か9割は病気ではないですよ、

と言われているようなものです



事後確率を知っていると

モンティ・ホール問題のような場合では

アタリを引きやすく、


病気の検査結果では、

モンティ・ホールのときとは別の意味で

「思ってたんとちがう」という感じで

悲壮感が和らぎますね



意外と気付かない、

事後確率の落とし穴のお話でした




(おしまい)




文:生塩研一




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