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例のSTAP細胞ですが、

当初は私も喜んだだけに

残念なことになりましたね



しかし、

不正と分かった後の対処が

またいただけません



早稲田大学がO氏に対して

「学位取り消しに該当しない」

との発表してしまったのです



時事ドットコム:
博士号「取り消し該当せず」=調査委、草稿誤提出と認定-早大・小保方氏論文





これは問題あり、です





「シェーン事件」をご存知でしょうか?



ドイツにある世界トップクラスの

ベル研究所にいたシェーンが、

2000年には Science に

2001年には Nature と立て続けに

有機物で高温超伝導の最高記録を

更新したと発表



当時はノーベル賞の有力候補とも



ところがところが、



そのうち、研究者の間から

実験データがおかしいのでは?

という疑いが持ち上がります



そして、

2002年5月、第三者調査委員会が発足



疑義に対して、シェーンは、

実験ノートが残っていない、

実験サンプルは破損してしまった、

と苦しい弁解



どこかで聞いたような。。



4ヶ月後の9月25日、委員会は

24の不正行為に関する報告書を提出




ベル研究所は、シェーンを即日解雇



もちろん、

再現実験なんか許していないわけです



理研とは大きな違いですね!



入学試験でカンニングした学生が

「本当はちゃんとできるんです」

と言っているからということで

再試験をさせるようなものですからね



それから、


2004年6月、

シェーンが博士号を取得した

コンスタンツ大学は

「恥ずべき行為」を理由に博士号を剥奪



博士論文自体に不正はなくてもです



シェーンは、博士号の剥奪は不当と

裁判を起こして敗訴していますから

裁判所も認めたことになります



先日、

博士論文がコピペだらけでも

博士号は取り消さないと発表した

早稲田大学とは大きな違いですね!



不正が発覚したなら、

このような迅速な対処と厳格な処分により

信頼回復に務めなければなりません




それと、O氏の博士論文は

導入部のセクションで

20ページにわたってコピペだった

というのも頂けません



導入部は、

研究者がその研究に対してもつ

ビジョンや思想が込められる部分



それが他人の論文と一緒なんて

まず、やっている本人が面白いと

感じているのか大いに疑問です




昨今、研究分野も細分化され

実験と言っても物質や方法を

ほんのちょっと変えただけの論文が

量産される傾向も否めず、

そうすると、

自ずと研究動機も同じものに

なってしまうのかもしれません



大学院生には、

先輩の実験の続きをやるだけで

自分が何をしているかも分からず

作業に徹しているようにしか見えない

ケースも残念ながら散見されます



院生本人の意識の問題が一番でしょうが

研究指導者が院生を手足として

使っているだけのことにも

問題があるように思われます



昨今、

競争的資金の獲得や、学内の評価などで

論文の数が必要なこともあって

大学教員もウカウカしていられない事情も

影響しているのかもしれません



また、

コンスタントに論文を出すためか、

結果の見えないリスキーな研究は忌避され

ある程度結果が予測できる予定調和な

研究論文が量産されているような

印象があるのも残念です



いやぁ、日本のアカデミズム

大丈夫ですかね



とても心配です




今回のO氏の件


信頼回復のためには

論文共著者の処分や

早稲田大学の過去の博士号の調査・処分

も検討されるのが理想的ですが、

現実的には難しいでしょう



ここは、

O氏の、理研解雇、博士号取消

及び、

博士論文の主査副査の処分が

妥当と考えます



そして、

日本の全研究者も襟を正して

信頼回復と科学の推進に

努めるべきなのです




(おしまい)




文:生塩研一




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