今回は、珍しく本の紹介でも。。
本年3月27日
死刑が確定していた事件が再審となり
元死刑囚が釈放されました
袴田事件です
1966年6月30日
静岡県清水市で一家4人が殺害された事件
容疑をかけられた袴田さんは
過酷を極めた取り調べで「自供」
再審に持ち込まれた要因の一つが
DNA鑑定でした
その記憶も新しい中、最近、
何気なく手にしたのが
清水潔『殺人犯はそこにいる ~隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』
栃木県と群馬県の県境で連続して起こった
5件の幼女誘拐殺人事件は
数年前にテレビ番組で見た記憶がありました
著者の清水潔氏は
桶川ストーカー殺人事件で
警察より先に容疑者を割り出し
実行犯を特定して
警察の捜査の問題も指摘したジャーナリスト
『殺人犯はそこにいる』は
菅家さんが釈放されるシーンで始まります
足利事件ですね
足利事件が、先の5件の
連続幼女誘拐殺人事件の一つだった
ということに気付いていなかった私。。
その5件の事件を、連続したものと
見抜いたのも清水氏でした
1990年5月12日、足利市
父親がパチンコをしている間に
娘さん(当時4歳)が誘拐され
翌日、近くの河川敷で遺体が発見されます
同年12月2日
幼稚園の運転手だった、菅家利和さんが
DNA鑑定が決め手となり
誘拐殺人の容疑で逮捕
しかし、
目撃証言に矛盾があったり
状況証拠も間違っていたり
さらには、DNA鑑定に問題があったりで
DNAを再鑑定することになり
犯人ではないことが明らかになります
DNA鑑定は
犯人特定だけに有力な手段ではなく
犯人でないことを立証するにも有効です
著者である清水氏が
徹底した取材や調査をされた結果、
真犯人と思われる人にたどり着きます
国会でも論議されました
しかし、
強制的な「自供」だけでなく
DNA鑑定の誤りを認めようとせず
また、組織を守ろうとする警察の厚い壁に
阻まれてしまいます
一気に読み切ってしまう迫真の筆致
清水氏は最後に、こう締めくくります
「お前がどこのどいつか、残念だが今はまだ書けない。
だが、お前の存在だけはここに書き残しておくから。
いいか、逃げ切れるなどと思うなよ。」
是非、ご一読を
(おしまい)
文:生塩研一
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