ブランド物はお好きですか?



同じ物でもブランド物だというと

ちょっとよく見えてしまいますね



というか、

実際によいのでしょうけど



いわゆる、よい物としての

ブランドだけでなく

それ自体よりもイメージが先行して

よく感じるということもあるでしょう



そんなとき

脳はどう反応しているのでしょうか?



ニューロマーケティングでも

よく取り上げられる実験を

ご紹介しましょう




2004年、

Neuron という、神経科学分野の

一流誌に掲載された実験です



McClure SM, et al. (2004)
"Neural Correlates of Behavioral Preference for Culturally Familiar Drinks"
Neuron 44: 379-387.





実際にやったのは

コカ・コーラとペプシの飲み比べ



コカ・コーラとペプシコーラを

実験に選んだのは

いずれも、よく知られていること

それから、

色や味も似ている



そのうえで、ブランドに差がある



ということで

ブランドの効果を調べるのに

適しているからだとのこと



確かに、

コカ・コーラの方がイメージ戦略で

成功していますね




実際、

1886年の発売から

強力なプロモーション展開を

進めることでイメージ戦略に

勝利したようです




さて、

実験の中身を見てみましょう




被験者総数は、67名

男性38名、女性29名

19-50歳(平均28歳)



2つのコップに入った10mLずつの

コカ・コーラ かペプシを飲んで

どちらが美味しいか

を答えてもらいます



被験者を4つにグループ分けます



グループ1

コカ・コーラとペプシのセットで比較

コップは無記名

飲み比べは3回



グループ2

グループ1と同じで

飲み比べは15回



グループ3

両方とも、コカ・コーラで比較

片方のコップだけ「コカ・コーラ」と

ラベル、飲み比べは3回



グループ4

両方とも、ペプシで比較

片方のコップだけ「ペプシ」とラベル

飲み比べは3回



どのグループでも

コカ・コーラとペプシのボトルが

被験者の目の前に置いてあります




fMRI ではチューブを通して飲むため

どのコーラもどの条件でも

炭酸を抜いた状態で用意



実験前に

コカ・コーラとペプシのどちらが好き?

という好みを聞いていますが

実際の結果はそれに依存しない

ということも確認しています



結果としましては

グループ3の、両方コカ・コーラで

片方のコップだけ「コカ・コーラ」と

ラベルのあるときだけ

コカ・コーラが美味しいと

答える比率が高い、という偏りがみられ、

それ以外のグループでは飲み比べに

偏りはありませんでした




では、

脳の反応はどうだったでしょうか?



グループ1とグループ2で

ラベルなしのコップで

コカ・コーラとペプシを飲み比べて

コカ・コーラが美味しいと感じた人は

前頭前野の下の方

具体的には、腹内側前頭前野(VMPFC)

VentroMedial PreFrontal Cortex

が強く反応していました



感覚的に好きだということに

反応していると考えられます



グループ3では

両方ともコカ・コーラで

片方だけ「コカ・コーラ」とラベルして

ラベルした方が美味しい

と感じられたのですが、

このときは、

海馬、背外側前頭前野(DLPFC)などが

DorsoLateral PreFrontal Cortex

強く反応しました



コーラ脳




ブランドイメージに反応したと

考えられます



DLPFC は短期記憶との関連が

海馬は覚えることとの関連が

よく知られていますが、

いずれも情動との関連もあると

指摘されています



ブランドに惹かれるとき

脳では、情動の処理と記憶に関連する

背外側前頭前野や海馬が

反応していたのですね





(おしまい)





文:生塩研一





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