このところ
ニューロマーケティングの本にも
よく登場する、アンカリング効果
について書いています
自分が判断するときに
関係なさそうな情報や
部分的な情報に
無意識のレベルで
影響されているのですね
まさに、操られている
拙ブログ『あなたは操られている アンカリング効果』
拙ブログ『アンカリング効果 暗算の場合』
オリジナル論文の
Tversky A & Kahneman D (1974)
Judgment under Uncertainty: Heuristics and Biases
Science 185 (4157): 1124-1131
からご紹介しているわけですが、
今回は、その論文で
8 x 7 x …
の推定に続いて次に書かれている、
ギャンブルにも関連した、
バーヒレルの研究です
Bar-Hillel M (1973)
"On the subjective probability of compound events"
Organ Behav Hum Performance 9: 396-406.
次の2つのケースで
確率が高そうな方を選んでください
1)箱の中に、赤玉9個、白玉1個
1個ずつひいて戻す、を繰返すとき、
7回連続で赤玉をひく確率
2)箱の中に、赤玉5個、白玉5個
1回だけひくとき、
赤玉をひく確率
1)と2)のどちらの確率が
高いと思いますか?
私は1)だと思いましたし
多くの人も1)を選ぶそうです
このように
高い確率の事象が続くのを
連結事象と言います
では、3番目のケースとして
3)箱の中に、赤玉1個、白玉9個
1個ずつひいて戻す、を繰返すとき、
7回のうち1回でも赤玉をひく確率
と、先の2)
2)箱の中に、赤玉5個、白玉5個
1回だけひくとき
赤玉をひく確率
を比べるとして
3)と2)のどちらの確率が
高いと思いますか?
私は2)を選び
多くの人も同じく2)を選ぶそうです
このように
少ない確率の事象が起きるのを
分離事象と言います
それでは、
実際の確率を計算してみましょう
1)は赤玉をひく確率は 0.9 で
これが7回続くので
0.9 x 0.9 x 0.9 x 0.9 x 0.9 x 0.9 x 0.9
これを計算すると、約 0.48
2)は簡単ですね
2回に1回赤玉ですから、0.5
そうなのです
意外なことに、2)の方が
わずかながら確率が高いのです
次に、3)を計算してみましょう
1回目で赤玉が出る確率は 0.1
2回目で出る確率は
白赤ですから、0.9 x 0.1 で 0.09
3回目で出る確率は
白白赤で、0.9 x 0.9 x 0.1 で 0.081
以下、同様に計算して
それぞれの確率を足し上げると
約 0.52
なんと、3)の方が確率が高いのです
確率が高い順に
3) > 2) > 1)
ということになります
どうやら
連結事象は高く見積もって
分離事象は低く見積もってしまう
傾向にあるようです
これも、最初に
起こりそうな事象が続くとか
起こりそうにない事象が続くといった
イメージにアンカリングされた結果
だろうと考えられます
いろいろな所に顔を出す
アンカリング効果
考えて判断したつもりでも
気付かないうちに
操られているかもしれませんね
(おしまい)
文:生塩研一
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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