前回は、

日常生活を送るだけでリハビリが進む

という、夢のような話につながる

かもしれない研究成果の紹介で

イントロ的なことを書きました



ニューロンやシナプスを電気刺激する

というのは、ニューロンの情報伝達を

強制的に起こさせる

ということでしたね



拙ブログ『知らぬ間にリハビリ 自由行動下でシナプス増強させることに成功(1)』





では、


シナプスが増強されたかどうかを

どうやって調べるのか?



送り手のニューロン、

今の場合、脳の運動野のニューロンが

信号を送ったときに、


受け手のニューロン、

今の場合、脊髄にあって手を動かす

運動ニューロン、

がどれくらい強く応答するかを調べます



ニューロンの信号は送るか送らないか

という、0か1のデジタル信号ですから

応答の強さは、

その信号の数でみることになります



これを発火頻度と言います



実験では、

特に訓練をすることなく

日常生活を送ったサルについて、

脊髄で信号を受け取ったニューロンの

発火頻度がどれくらい高くなったか

を調べてみると、

実際に高くなっていたとのことです



前回、

手にはたくさんの種類の筋肉がある、

と書きましたが

個々の筋肉はいろいろな動作するときに

他の筋肉といろいろな組み合わせと

タイミングでうまく協調して

実際の動作を実現しています



つまり、

個々の筋肉は日常生活の

いろいろな場面でちょっとずつ

使われているということなので、


増強したいシナプスに

刺激用の電極を刺して、

もしくは、留置して

(埋め込んでおいて)、


そこに情報を送る脳のニューロンの

信号を検知してから、

適切なタイミング(時間のズレ)で

増強したいシナプスを電気刺激する、

というシステムを埋め込むことで、


特定のリハビリをしなくても

日常生活を送っている間に

リハビリが進む、


というのをサルで実証したのです



生理学研究所のプレスリリース
「脳と脊髄の神経のつながりを人工的に 強化することに成功」





Nishimura Y, et al. (2013)
“Spike-timing dependent plasticity in primate corticospinal connections induced during free behavior”
Neuron







脳のもつ、可塑性という性質で

新しいシナプスが増強されますが、

それを人工的に加速させようという発想



実に素晴らしい!



実験では、

脳のニューロンの信号を受け取ってから

脊髄のニューロンを電気刺激するまでの

時間をどれくらいおけばよかったかも

詳細に調べられています



この続きは、次回。





(つづく)





文:生塩研一





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