前回は、

ニューロンがダメージを受けたら

ということで、

脊髄損傷と脳梗塞を例に書きました



そんなとき、もったいないのが

手足を動かす筋肉は大丈夫

ということ



筋肉を動かすニューロンが

ダメージを受けるために

筋肉が動かせなくなってしまうのです



動かせなくなるだけではなく

筋肉は使わないと

どんどんやせ衰えていきます



これを、廃用といいます



ますますもって、もったいない



筋肉がしっかりしているうちに

ニューロンをつながないと。。。



ニューロンは細長いため

その一部が損傷を受けると

ニューロン全体が機能しなくなる


しかも、再生しない



でも、スゴいメカニズムがあって

それを克服しようとする

ということでした



拙ブログ『ニューロンがダメージを受けたら ~脊髄損傷と脳梗塞』




今回は、

脳の機能はどれもスゴいですが、

その中でも格段にスゴい

と思う機能である、

「可塑性」

について少し書いてみます




もったいぶらずに言いますと、


ニューロンの配線が勝手に変わって

他のニューロンが損傷したニューロンの

肩代わりをするのです



ニューロンの配線が変わるとは?



ニューロンのつながり方は

結構いい加減?にできていて、

あまり関係なさそうな

ニューロンどうしも

つながっていたりします



それでも混線しないのは

そのつながりの強さが違うから



つまり、

シナプスでの情報伝達のスムーズさが

鍵となります



よく使う大事な回路では

シナプスの情報伝達がスムームなので

それが優先されて

問題なく情報処理が進むのですね



で、

普段使っていたスムーズな回路が

脊髄損傷や脳梗塞で使えなくなると、

あまり使っていなかったニューロン

とのシナプスを増強して

情報伝達がスムーズになる



結果的に、

ニューロンの配線が変わる

ということなのです




このつなぎ替えを、

脳は勝手にやってしまうのです



スゴいですよね



脳のこの柔軟な性質を

「可塑性」と言います



この可塑性は、

脊髄損傷や脳梗塞のときの

機能回復だけでなく、

乳児などで外界の刺激を受けて

脳が発達していくときや、

スポーツにしろ勉強にしろ、

新しいことを覚えるという過程でも

同じことが起きている

と考えられています



リハビリテーションでは、

残ったニューロンの機能を活かすべく

この可塑性のサポートをしているのです



もっと絞って言えば

他のニューロンを有効利用すべく

これまであまりつながりが弱かった

ニューロンへの情報伝達を

スムーズにする



つまり、そのニューロンとの間の

シナプスを増強するということです




これが素人ではなかなか難しく、

リハビリでは

個々の機能回復に特化した器具を

使ったり、

理学療法士などのサポートを受けて

効果的に進める、というわけです



ただ、患者さんがその施設に

行く必要がありますし、

その施設でのリハビリもマンツーマンが

基本なので、たくさんの患者さんの

リハビリを同時進行するのは難しいです



日常生活を送りながら

勝手にリハビリが進んだらいいのに、、



そんな夢のようなリハビリに

つながるかもしれない研究成果を

日米の研究者らが報告しました



この話は、次回に。




(つづく)




文:生塩研一





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