前回は、
ニューロンは意外と長くて、
例えば、手を動かすとき、
脳の一次運動野のニューロンを
スタートとして
手の筋肉が収縮するまで、
最短では、たった2個
というか2本のニューロンが情報を
リレーしている、というお話でした
拙ブログ『ニューロンは意外と長~い』
ただ、実際には、
そんなに単純ではなくて
その間に介在ニューロンが何個かある
ことが多く、複雑に調節されています
さて、今日は、
ニューロンがダメージを受けたら
ということで、
脊髄損傷と脳梗塞について
簡単に書いてみます
脊髄というのは、手足の運動に
関わるニューロンだけでなく
手足の触覚などの情報を
脳に送る感覚ニューロン、
さらに、
交感神経や骨盤内臓などの調節に
関わるニューロンなど、
大事な役割を持つニューロンの軸索
からなる長い線維が束になっています
ですから、
脊髄のどこかで損傷を負ってしまうと
それより先に情報が送れなくなって
手足を動かせなくなったり
手足の感覚が脳に伝わらなく
なったりします
ちなみに、
内臓機能の調節を担う
副交感神経である迷走神経は
脳の付け根の延髄に細胞体があり
そこから、脊髄を下降せず横に出て
いろいろな内臓に向かいますので
脊髄損傷の影響は受けません
ただ、
直腸や膀胱といった、骨盤内臓は
脊髄の一番下で仙骨から出ており
脊髄損傷の影響を受けます
また、
交感神経系も脊髄を通りますので
同様に影響を受けることになります
副交感神経と交感神経をまとめて
自律神経といいますが
両者は反対の働きをしますので
交感神経系が障害されると
自律神経のバランスが崩れて、
血圧が低く、脈も遅く、ふらついたり、
体温や汗の調節が
うまくいかなくなったりします
損傷が一カ所でも手足が麻痺するなど
ダメージが大きいのは、
そもそもニューロンが長くて、
一部の損傷によって
細長いニューロンの全体が
機能しなくなるためです
脊髄での損傷が大きい場合は
左右両方の手足が
麻痺することになります
また、
脳の中の血管が詰まって
脳のニューロンに血が行かなくなると
そのニューロンは死んでしまいます
これを、脳梗塞といいます
ニューロンは血液がなくなる状況に
とても弱くて
ニューロンの塊とも言える脳は
10秒でも血液が止まってしまうと
機能低下し、意識が消失します
脳に脳梗塞のようなトラブルが
発生した場合はどうでしょうか?
上記で、さりげなく
「首の付け根のあたりの延髄で
左右を交叉して、」
と書きましたように
右脳は、左半身の運動を
左脳は、右半身の運動を司ります
ですから、例えば、
右脳で脳梗塞が起こると
左半身に麻痺で出ることになります
脊髄損傷や脳梗塞などによって
ニューロンが機能しなくなると、
ニューロンは再生しませんので
損傷や死滅したニューロン自体は
機能が回復しません
ところがところが、
残った他のニューロンが、前よりも
頑張ってカバーしようとするのですね
ココが、
脳やニューロンのスゴいところ
では、具体的にどうなるのか?
続きは次回に。
(つづく)
文:生塩研一
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