脳には

 見ることに関する領域(視覚野)

 聞くことに関する領域(聴覚野)

 体の運動に関する領域(運動野)

があるように

言葉に関する領域(言語野)もあります



言語処理もいろいろですが、

 聞いたり読んだりして理解する

 話したり書いたりして表現する

といった2つの過程が考えられます



これらの過程は、脳では

どのように処理されているのでしょう?




1861年、

ルボルニュという51歳の男性患者が

フランスの医師

ピエール・ポール・ブローカ
(1824-1880年)

のいる病院に入院します



ルボルニュは右脚に麻痺があり

入院の7年前からは寝たきりに

なってはいましたが、

意思疎通はできていました



入院の数ヶ月前から

言葉を話せなくなり、

何を聞かれても

「タン、タン」と答えるので

タンさんと呼ばれるようになりました



入院生活は長くは続かず亡くなります



死後、脳を解剖したところ

前頭葉の後部(44野)に脳梗塞が

見付かりました



この発見をきっかけに

言葉を話す役割をその領域が担っている

ことがわかり、医師の名を取って

ブローカ野と名付けられました



今では、

冒頭に書きましたように

脳は場所(領野)によって

担っている機能が異なるという

脳機能局在論」が

広く受け入れられていますが、

この考え方が信憑性をもって

迎えられたのは

実は、このブローカの業績が

大きなきっかけとなったのです




その後、1874年

言葉を理解する領域も

外科医カール・ウェルニッケが発見し

ウェルニッケ野と名付けられています



ウェルニッケ野(22野)は

ブローカ野の近くにあるのかと思いきや

結構離れているのですね



側頭葉にある聴覚野の後ろの方です



$プラスサイエンス ~ 科学が気になるアナタのために-ブローカ野


(ブローカ野とウェルニッケ野)



ブローカ野は

運動性言語中枢とも呼ばれ、

 言葉を発すること

 手話で表現すること

 複雑な文法を操ること

などに関わっていると考えられています



ブローカ野が障害されても

言葉の理解は正常とされます




一方の ウェルニッケ野は

感覚性言語中枢とも呼ばれ、

聞いた言葉の理解に働きます



ウェルニッケ野が障害されても

話すことはでき

むしろ流暢であることが多いのですが

内容は意味不明です


 

ブローカ野やウェルニッケ野といった

言語野は、9割以上の人が左脳に

左利きの人では3、4割が右脳に

あります



言語機能の障害は 失語症

と総称されますが、その症状は様々です



個々の具体的な症状は別の機会に





(おしまい)






文:生塩研一





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