前回の続きです
学生実習の最中なので、
ネタバレしないよう
控え目に書くことをお許しください
3つ目の実習項目は、誘発筋電図
以前、私が担当していた頃は
アキレス腱反射
H波とM波を観察
の2つをやっていました、、
ような気がします
身体の神経は
脳と脊髄からなる 中枢神経
と
それ以外の 末梢神経
との2つに大別されます
末梢神経には、
筋肉に軸索を伸ばして
筋肉を収縮させる遠心性神経と、
脊髄に軸索を伸ばして
脊髄や脳に感覚情報を送る
求心性神経があります
まず、
アキレス腱反射について
筋肉が伸ばされると
筋紡錘という受容器がその伸びを感じ
脊髄に興奮を送り、
脊髄で運動神経を介して
その伸ばされた筋肉に興奮が戻って
筋肉を収縮させます
このように、脳まで行かなくても
脊髄だけで処理が済まされる応答を
反射と言います
アキレス腱は、人体で最大最強の腱で
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を
踵(かかと)の骨につないでいます
この腱を
それ用のハンマーで軽く叩くと
腱がほんのちょっと伸ばされ
それがつながっている、
ふくらはぎの筋肉も
ほんのちょっと伸ばされます
すると、
先ほど書きましたように
筋肉の伸びを筋紡錘が検知して
求心性線維を興奮させて
脊髄経由で戻って
下腿三頭筋が収縮します
その筋収縮の様子を
ふくらはぎに付けた記録電極から
筋電図として記録します
筋肉の活動は、前回書いたように
体表に電極を付けるだけで
簡単に計測できます
『筋電図、他 ~ 医学部の生理学実習(1)』
アキレス腱を叩いてから
ふくらはぎの筋が収縮するまで
30~40ミリ秒でしょうか
腱の中にも、腱紡錘という
筋紡錘と同じ機能の受容器があって
求心性神経を興奮させます
腱反射は膝蓋腱反射が有名ですね
膝の皿の下を叩くと
足が上がるという、アレです
これも
アキレス腱反射と同じことです
次に、
H 波と M 波の観察について
誘発筋電図では、
体表に電気刺激を与えることで
末梢神経を興奮させて
筋肉の活動を調べます
誘発筋電図で与える電気刺激は
刺激をマイルドにするため
1, 2cmくらい離れた2個の
フェルトチップを生理食塩水で
湿らせて、それぞれ+とーとして
パルス状の電流を一瞬流します
下肢(脚)で考えましょう
被験者にうつ伏せになってもらって
その刺激電極を
膝の裏(膝窩)に押し付けます
電気刺激は1秒に1回程度のペースで
与え続けます
筋活動を、ふくらはぎに
+とーの記録電極を貼付けて計測
刺激電極の強さを徐々に上げていきます
筋紡錘からの興奮を伝える求心性神経と
筋肉を収縮させる運動神経を
同時に刺激することになるのですが、
求心性神経の方が
弱い電気刺激で反応するため
その興奮が脊髄経由で筋肉を
収縮させます
このときに記録される筋電図のパルスを
H波と言います
刺激電極の強度を徐々に強くすると
今度は遠心性の運動神経も興奮して
直接、筋肉を収縮させます
このときの筋電図を M波と言います
H波は脊髄経由ですから
M波の方が時間的には早く現れます
つまり、
1回の電気刺激に対して
早い時間に M 波
遅い時間に H 波
の2つのパルスが筋電図として
記録されます
刺激電極の強度をもっと強くすると
H波が消失して、M波だけになります
この理由は、、
考えてもらいましょうか
ちょっと書き過ぎてしまいました
では、また
(おしまい)
文:生塩研一
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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