神経毒の話が続いていますが

ちょっと気分転換をしますね





今日から

医学部2年生の生理学実習

が始まりました



3つのテーマを順次回る仕組みです



そのテーマとは

脳波計測、誘発筋電図、筋電図計測



私が担当しているのは 筋電図計測


握力に関わる筋の活動を調べます




筋肉の収縮はニューロンを同様に

電気的な活動なので

金属皿電極などで

活動の様子が簡単に記録できます



運動神経から興奮が筋線維に伝わると

筋線維上を興奮が伝わります



たくさんの筋線維からの興奮、

つまり、

活動電位を皮膚上から記録するのが

筋電図です




肘から前の前腕の

屈筋(手のひら側)に2カ所

電極を貼ります



そして、

その電極を付けた方の手で

握力計をグリップ



握力計の値と、筋電図のデータは

コンピュータに取り込んで

制御画面でリアルタイムに見られます



3つのデータをグラフで表示していて

一番上が、握力計の値

真ん中が、筋電図の生データ

最後に、筋電図の積分値



筋電図は激しく振れるので

絶対値を積分して評価しています



学生たちは

その画面を白い壁面に映して

被験者や計測者を含めて

実習を進めます




各自の100%握力を基準として

10%, 20%, 40%, 60%, 80%, 100%

の握力を発揮したときの

筋電図を計測



握力の強さに応じて

筋電図の振れも大きくなる様子が

見られます



それから、

フルパワーで握力を出したときに

筋電図がどう変わるのかとか


持続可能な程度で握力を一定にして

長時間グリップしたときに

筋電図はどうなるかを観察



最後に、独自の計測内容を考案して

実際にやってもらいます



各自が被験者になり

自分のデータを取得します



最後にレポートとして

データ整理をして

考察を書いてもらって

教員がチェック



午後1時に開始して

終わったのは、午後8時



時間がかかるのは

講義で習ったはずのことも

意外と?理解できていなかったりで

考察が進まないのが原因



実習で実際に体験すると

理解が深まります



これを機会に

しっかり理解してもらいたいものです




脳波では

α波などを観察します



頭皮上に金属皿電極をつけて

脳のニューロンの集団的な

電気活動を計測します



電極はあらかじめ決められた位置に

設置します



簡単のため

前頭葉、頭頂葉、後頭葉の

左右2カ所ずつ



α波は簡単に出ます

目をつぶってリラックスするだけ



α波とは

周波数が10Hzくらいで

振幅が比較的大きいキレイな波のこと



後頭葉や頭頂葉の電極から

計測されることが多いです



閉眼安静でα波が見られているときに

被験者に目を開けてもらうと

α波がなくなって

高周波のβ波に変わります



これをαブロッキングといいます



それから、

被験者に目を閉じてもらった上で

光のフラッシュを当てると

脳波がそのリズムに同期する

光駆動もみられます



被験者の学生によっては

すぐに寝てしまうことがあり

そんなときは

睡眠脳波を観察します






最後の誘発筋電図は

またの機会にしましょうか





(つづく)






文:生塩研一





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