昨日は、

ヴァイオリンの音が出る仕組み

について書いてみました


『ヴァイオリンの音はどうやって出るの?』




ヴァイオリンには弦が、4本


4本ある弦は、音が低い方から

G線(低いソ)

D線(レ)

A線(ラ)

E線(高いミ)



G線は、

G線上のアリアで知られていますね

もとは、

バッハ『管弦楽組曲第3番』のアリア


G線だけで弾けることに由来しますが

実際にはかなり厳しい演奏となります



指で弦を押さえずに音を出すことを

開放弦といいますが、

各弦で出る音が決まっています



前回、書きましたように

弦楽器は引っ張る力によって

音の高さが変わりますので

弾く前に音の高さを調整します


これを、調弦といいます


ヴァイオリンの調弦では

まず、A線の「ラ」の音


オーケストラでは、オーボエに、

ピアノがあれば、ピアノに、

自分で練習するときには

電子音が出るチューナーで

「ラ」の音を出して調整します


「ラ」の音は、

平均律でも純正律でも、440Hz



ただし、ヴァイオリンは 442 Hzで

調弦することが多いようです



それから、

A線とD線を一緒に弾いて、D線を調弦


ついで、

D線とG線を一緒に弾いて、G線を調弦


最後に、

A線とE線を一緒に弾いて、E線を調弦


調弦の様子は、以下をご覧ください

ギトリスによる
バッハのシャコンヌ



ついでに、

いい曲なのでお聴きいただけたらと。



この調弦をきちんとやらないと

音階がおかしくなってしまいます



これ、 最初の「ラ」の音を

他で出してもらって、

それを基準に調弦していましたよね



というのは、音を聞いただけでは

音の高さを言い当てるのが難しいから



それをできるのが、絶対音感



一万人に一人とか。


モーツァルト、ベートーベン

ショパン、ヘンデルなどが

絶対音感をもっていたとされます




「ラ」は、440 Hzでした。



平均律で、

半音上の「ラ#」は、466.16 Hz

半音下の「ソ#」は、415.30 Hz


半音で、25 Hzくらい違うわけです



絶対音感にもいろいろなレベルが

ありますが、1 Hzの違いでも

わかる場合があるそうです


半音の1/25の違いがわかるなんて

スゴい。。。



最近、

絶対音感がどれくらい絶対なのか

を調べた論文が出ました

Hedger et al. (2013)
"Absolute Pitch May Not Be So Absolute"
Psychological Science



著者らの YouTube での紹介



論文のタイトルに、" May " が

使われていますね。普通、しません

ちょっと弱気な印象



実験では、

クラシックの曲を聴いている間に、

音程を15分くらいかけて

最終的に、半音の1/3 ずらしていって

その変化に気付くかを調べています



使った曲は、

ブラームス『交響曲第1番』


私の好きな曲でもあります

特に、第4楽章の5分くらいから



その結果、

絶対音感をもつ27人の被験者全員が

そのずれに気付かなかったそうです



もともと、半音の1/25とかの違いが

わかる人達がですよ



しかも、続いて、そのずれた音で

新しい曲を聴いても、音のずれに

気付かなかったとのこと



絶対音感は、

それほど絶対ではなかったのですね



そして、著者らは

大人でも新しいスキルを学習できる

可能性を示唆すると言っています


さて、どうでしょうね。。



私としては、

絶対音感をもつ人が音を聞くときにも

いかに脳が状況に対して柔軟に

対応しているかを示すと考えます



例えば、

高速道路をしばらく走っていると

目が速いスピードに慣れて、

出口で降りるときに減速したら

実際よりもかなり遅く感じるように



このあたりの、

脳の状況に合わせる柔軟性については

またの機会に。



(おしまい)







お読みいただきまして、ありがとうございました。
コメントもお待ちしています。お気軽にどうぞ~!


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