前々回は、水のお話、第1弾
なぜ、氷は水に浮くのか?
~ 水、この「変な」物質(1)
前回は、水のお話、第2弾
なぜ、スケートは滑るのか?
~ 水、この「変な」物質(2)
いずれも、
当たり前のことですが、
実は、
「水」の珍しい性質のため
ということを書きました
まだ続けてみましょう
前回書きましたように
物質の温度を上げていくと
固体 → 液体 → 気体
のように変化していきます
ここで、
固体が液体になる温度を、融点
液体が気体になる温度を、沸点
といいます
そして、問題の「水」ですが
融点が0℃で、沸点が100℃
当たり前ですよね
しかし、
これが、また大変珍しい!
似た物質と比べてみましょう
水は、
酸素1つと水素2つからなります
酸素には結合の手が2つあって、
水素には結合の手が1つ
だから、
酸素は2つの水素とくっつきます
水(H2O)は、
酸化水素とも言います
酸素に似た物質、
つまり、結合の手が2つあるものは、
周期表で、
酸素の下を見ていけばいいですね
ついでに、
ときどき、「周期律表」
と言われますが、
正しくは、「周期表」です
「周期律」も正しいです
さて、
酸素の下は、上から順に
硫黄(元素記号:S)
セレン(元素記号:Se)
テルル(元素記号:Te)
それぞれ、水素2つと結合します
硫化水素(H2S)
セレン化水素(H2Se)
テルル化水素(H2Te)
融点を見ていきましょう
水 0℃
硫化水素 ー85.5℃
セレン化水素 ー65.73℃
テルル化水素 ー49℃
硫化水素より下は、
分子量が大きくなるほど
融点が高くなる、
つまり、
より高い温度でないと
液体にならないのに、
「水」は分子量が一番小さくても
融点は異常に高く、0℃
沸点はどうでしょうか?
水 100℃
硫化水素 ー60.7℃
セレン化水素 ー41.25℃
テルル化水素 ー2℃
これも、分子量が大きくなるほど
沸点が高くなるのに、
分子量が一番小さい「水」の
沸点は異常に高く、100℃
ですから、
融点が0℃で、沸点が100℃
これが、いかに珍しいかを
お分かりいただけたでしょうか
液体である温度幅も
「水」は異常に広いですね
ところで、
何気なく入っているお風呂

Wikiより
「水」を温めた「お湯」に
浸かるわけですが
これが、
「変な」物質、「水」ならでは
の性質のお陰なのです
温めにくさや、冷めにくさは
比熱という物理量で評価します
比熱とは、
1グラムの物質の温度を1℃上げる熱量
単位は、J/kg/K(または、cal/g/deg)
比熱が大きいほど、温めにくい
言い換えると、冷めにくい
いろいろな物質の比熱を見てみましょう
(kJ/kg/K)
水 4.2
エタノール 2.4
アセトン 2.1
空気 1.0
アルミニウム 0.9
ガラス 0.7
鉄 0.46
銅 0.39
どうです?
水は他の物質に比べて、
比熱が異常に大きいのが
お分かりでしょうか
お風呂のお湯が冷めにくいのは
水の比熱が高いからなのです
だから、お風呂に使える
とっても「変な」物質に
私たちは浸かっているのですね
ちなみに、
もう少し比熱の高い物質として
アンモニアがあります
比熱 4.44
アンモニア風呂は、
もっと冷めにくいですが
匂いがキツくて入れません、
きっと(笑)
(続く)
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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