ドラマや映画でバックに流れる音楽
場面を効果的に盛り上げてくれますね
楽しい場面では、楽しい曲
悲しい場面では、悲しい曲
知っている曲を聞くと、
ドラマなどの場面が思い浮かびます
しかし、知らない曲でも
何となく楽しい感じとか、
何となく悲しい感じ
という印象を
受けることがありませんか?
一般的に、
「長調」は明るく
「短調」は暗くて悲しい
ということになっています
例えば、
ハ長調の音階は半音(黒鍵)なしで、
普通に
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド
ハ短調は、
ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド
となります。
お近くにピアノがありましたら
弾いてみてください
やはり、ハ長調は明るく
ハ短調は悲しく聞こえると思います
短調の音階には、
第三音が半音下がる特徴があります

J. S. バッハ『ミサ曲ロ短調』
のジャケット
↑短調ということで。。
好きな曲の一つです
このCDの演奏は
BCJ(バッハコレギウムジャパン)
BCJは、横浜に住んでいたとき
シーズン券を買って
初台のオペラシティーに
よく聴きに行っていました
さて、最近の心理学の論文で、
悲しい曲は本当に悲しいかを調べた
実験が報告されています
Kawakami et al. (2013)
"Sad Music Induces Pleasant Emotion"
Front Psychol 4: 311.
理化学研究所のプレスリリース
実験では、18~46歳の44名に参加
してもらい(男性19名、女性25名)
そのうち、17名は音楽家でした
そして、
悲しいとされる曲を聞いて、
その印象を答えてもらっています
例えば、悲しい曲として
グリンカのノクターンなどの
一部が30秒くらい使われたようです
下のリンク先で、
2番目の曲がグリンカのノクターン
(へ短調『別れ』)
45秒ほど試聴できます
佐藤勝重『ノクチュルヌ~ピアノ音楽史を彩った夜想曲の系譜』
参加者は、
以下の2つの質問に答えます
「一般的に多くの人は、この音楽を
聞いてどう感じると思いますか?」
「あなたは、この音楽を聴いて
どう感じましたか?」
最初の質問は、一般的な曲の印象であり
2番目は被験者個人の印象です
感じた程度は、「悲しい」「愛おしい」
などの62項目のそれぞれを
強さの4段階で回答
その62項目は、
「悲しみ」(悲しい、憂鬱、沈んだ)
「高揚」(圧倒された、興奮した)
「ロマンチック」(うっとした、恋しい)
「浮き立ち」(浮かれた、踊りたい)
の4つの因子にまとめます
実験の結果、
悲しいとされる曲を聞きますと
一般的な印象としては、悲しみ因子が
強かったのですが、
個人的な印象としては、
悲しみ因子は少し弱く、
逆に、
ロマンチック因子や浮き立ち因子は
より強かったのでした
つまり、
分類上は悲しい曲だと判断しても
自分自身はそれほど強い悲しみは
感じておらず
意外にも、ロマッチックな感じとか、
浮き立った感じをより強く感じている
ということがわかったのです
長調が明るく、短調が暗くて悲しい
というのが、なぜなのかは
まだまだ分かりませんが
音楽と脳の関係も、いろいろわかると
おもしろいですよね
ふと疑問に思ったのですが、
イヌや鳥も、短調の曲を聞いたら
やはり悲しく感じるのですかね。。
今後の研究に期待しましょう
(おしまい)
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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