昨日のブログ
「他人の痛みも、痛みとして感じる脳」
では、

近しい人が痛い思いをしていると
知ったり、赤の他人でも痛そうな
画像を見ると、心が痛みますが、
そのときの脳の反応を見ると
自分が受けたときの痛みと同じだった
という実験を紹介しました。


ちょっとその続きみたいな感じで。。


勉強はそんなに楽しくないことが
多いですよね

宿題をしなきゃいけないとか
試験が近付くとか

お腹が痛くなる人もいるようです

私はお腹は痛くなりませんでしたが
試験の前日には
いっそのこと白紙で出してしまおうか
と思ったこともありました

結局、
白紙で出す勇気はありませんでしたが



数学不安というか数学嫌いな人の
脳活動を調べた実験があります

Lyons and Beilock, PLoS ONE 7(10): e48076 (2012).


数学不安テスト
"Short Math Anxiety Rating-Scale"
で数学嫌い度を測って
数学嫌いな14名と
それほど数学嫌いでもない14名
に計算と単語の課題を実施して
そのときの脳活動を比較しました


ちなみに、計算課題では、
かけ算と引き算が混じった問題で
書いてある答えが正しいかどうか
を答えます

式は以下の通り

a x b - c = d

aとbは同じではなく、cとdは正



計算課題には
難しい課題と易しい課題があり

難しい課題は、上記の計算で
aとbが5以上9以下、a x b が30以上
cが15以上19以下、繰り下がり計算あり

例えば、
7 x 8 - 18 = 37 

この計算は正しくないので、
「no」と答えたら正解



簡単な課題は、上記の計算で
aとbが1以上9以下、a x b が以下
cが1以上8以下、繰り下がり計算なし

例えば、
3 x 2 - 5 = 2 

この計算も正しくないので、
「no」と答えたら正解



単語課題は
英単語の文字順を逆に並べて示し
頭の中で元に戻して
実在する単語がどうかを判断

例えば、
yrestym

元に戻すと mytsery

実在しないので、
「no」と答えたら正解


課題を出す前、取り組む課題が
計算課題なのか、単語課題なのか
課題予告の記号が表示されます


で、実際にどちらかの課題をする

課題予告と課題実施の最中に
脳活動をfMRIで調べます


すると、

「計算の課題予告」のときだけ
島皮質前帯状回の活動が増加

数学嫌い度が高い人ほど
その脳活動も強かったとのこと


そして、計算の課題実施や
単語の課題予告と課題実施のときには
それらの活動は増加しませんでした

島皮質や前帯状回は
痛みを感じているときに活動します


つまり

これから計算しないといけない

と思っただけ脳が痛むということです


大事なのは、

計算の課題「実施」のときには
すでに痛みの反応はない、
ということ


あー、これから計算か。嫌だなー

と思っていると、
ずっと脳が痛みを感じてしまうので

すぐに取りかかった方が楽なのです

まさに

「案ずるより産むがやすし」


嫌だなーと思うことこそ
すぐにはじめて、
早く片付けてしまいましょう





お読みいただきまして、ありがとうございました。

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