あ、メソッド演技のことを書き忘れた。 | 日刊ぷらすれっど -落書き編- presented by plusRed

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ごくごくありきたりな写真と面白味に欠ける文章でまとめてあるクソ真面目なブログです。”ぷらすれっど”は写真事務所らしい。

20数年前カメラマンとしてモデル事務所で仕事を始めた。その頃の新人モデルはレッスンの必要性など殆ど知らなかった。今はこれだけ情報が溢れているからある程度認識しているみたいだが。


モデル、この定義は難しい。ただモデルとタレントは違う。


モデルはモノを宣伝するのが目的でタレントは名を売るのが目的、でいいか。んーー、いや、何故こんなことを書き始めたか?あのさ、ポージングできないのはいいけどポージングを覚える必要性を感じないモデル応募者が最近多い。まあ、僕の説明不足も原因だな。


ここの撮影会を始めたときに「僕がアマチュアだったらどんな撮影会に参加してみたいか」と考えた。スタジオライティングから外でのレフの使い方、モデルに対する撮影意図と伝え方、本では分からないもの。それとプロのモデルの素晴らしさ。撮影意図、硬いライトや柔らかいライト、ライトの位置で表情を変えてくれる。野外でも光は勿論だけど風や匂いを感じてくれる。それが写真に映る。そのときの情景を表現してくれるんだな。


もちろんスナップ写真という撮影方法もある。スナップなんだ。情景を切り取る。自然な写真。説明が難しいので簡単にすると演技するしないではなく作り上げる写真と作らない写真でいいかな。作らない写真がスナップ写真。じゃあポートレートは?だよね。まあわかりやすくするためにね。だから、写真には作り上げる写真と作らない写真がある、っていうことでどちらも写真です。あー、当たり前だね。


モデルはポージングができないと仕事にならない。んー、基本は。いや絶対。あ、でも。いや、モデル事務所は「この子はポージングできません」とは言えないよ。タレントはポージングできないてもいいです。カメラマンが教えてくれるから、ポージングというより演技だよね。そうタレントを撮影するカメラマンは演出家なんです。だから素人さんでも撮影出来ます。そうするとファッションカメラマンが演出してないか?って言えばそうではないんだけど。先日ヘムルート・ニュートンの映像を観たけどいっぱい注文していたし褒めていた。


こんなことを考えていたらモデルもタレントもポージング、平たく言えば演技だね、モデル演技?タレント演技?とでも言うのか身体で表現する方法は覚えた方が、あー、そうか、プロを目指している人は、ってことになるね。私には必要ない、って思うよね。


写真撮影が好きな人はレンズ選び、えー、標準レンズから望遠レンズ、広角レンズを使いたくなる。それはモデルにとって、この場合タレントも含めての話ね。モデルにとって服選びみたいなもんかな。他に絞りやシャッタースピードを意識したり、アングル、サイズ、ライティングを考えるのは上手くなりたい、綺麗に撮りたいから。それはモデルにとってのポージングだと思うよ。


ポージングって単に綺麗に見せる方法だと思っているかも知れませんが実は感情と直結しっているんです。表情作りって難しいと思っている人は頭の中だけでやって身体を使ってないからです。例えばね、左右対称のポーズは男性的に見えます。仁王立ちして、んー、腕組んで可愛く笑顔?いやー出来ない。じゃあ、足を閉じて両腕を脇にぶらり。その両手を股間あたりかな、合わせて。そのままお腹あたりに。次は胸の位置。で、頭上にばんざい。ハイ、もう一度、今度は手の位置と表情をリンクさせてやってみて。


ほら、表情が変わるでしょ?身体のパーツって置く位置で気持ちも変わるんです。じゃあ今度は鏡を持ってきて真っ直ぐ見てみましょう。次は顎ををひいて、次顎を上げて、表情変わった??じゃあさ、その鏡の距離を変えてみて。


たぶんね、顎の引き方上げ方も変わったでしょ?それが相手との距離感です。相手に届いている表情です。ポージングを意識するのは身体の美しさと人と人の関係の再確認だと僕は思います。美しさを知るっていうのはそのまた逆も知るってことでもありますけど。


最後に、こんなことを言っていますがポージングを教えない方がいいと思った子もいました。その子の個性を無くしてしまいそうな気がして。いつもは自由奔放なのにカメラの前に立つと照れて、ルックスもスタイルもモデルとして十分なのにそのままの姿がすごく魅力的な子でした。教えなかった?必要がなかったのか。あー、こんなこと言うと「私は魅力的だから(必要ないじゃん)」?いや、その子も本格的にモデルをしようとしたらちゃんとやる子、だと思うよ。何事も例外はある。