学習支援では、「アセスメント」(その子の状態を捉えること)からすべてはスタートします。
私は子どものことをとらえるときに、
心:気持ちの面
技:これまでの学習の積み重ねの面
体:理解する能力面(脳力)
の3つの視点で捉えています。
例えば、同じく学校のテストで点数が取れず、勉強に行き詰っているA君、B君、C君がいたとします。
親としては心配で、塾に入れようか、市販のドリルを家でさせようか迷っています。また、ご褒美や罰(ゲーム禁止)などで何とかさせようとしています。「どうしたらいいでしょうか?」という相談がありました。
しかし実はこの段階ではとるべき対策は「まだわからない」のです。
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A君はこんな感じでした。
A君は、ものごとを理解する能力はあるのですが、勉強の「べ」の字を見るだけで逃げ出してしまうほど苦手意識を持ってしまっており、そのせいで基礎的な知識もついておらいません。これまでの学習の積み重ねができていないため、現在の内容も全くついていけず、投げ出してしまっています。
「技」が原因→「心」に影響
A君に取るべき対策としては、これ以上「できない」経験を積ませることは得策ではありません。(本人に分からないように)学年をさかのぼって、「できた」経験を積むことで、まずは自信を取り戻すことからスタートします。
「技」からアプローチ
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B君はこんな感じでした。
B君は、やる気もあり、勉強に対しては抵抗感もありませんが、理解する能力が低めです。そのため、これまでの知識もうまく積み重ねられていません。なお、理解する能力が低い原因は眼球運動(お手玉が上手くキャッチできなかった)にありました。
「体」が原因→「技」に影響
B君に取るべき対策としては、ドリルや塾に行く前に、眼球運動の練習(ビジョントレーニング)から行うべきなのです。例えていうなら、ド近視の人がメガネをかけないままキャッチボールをしていてもなかなかうまくならないようなものです。キャッチボールの前にメガネを作りに行くことが大事なのです。
メガネを作らないまま、練習を重ねても「できない」経験ばかり積み上がり、自信をどんどん失ってしまいます。
「体」にアプローチ
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C君はこんな感じでした。
C君は理解する能力もあり、基礎的な知識もついていますが、「100点取れないならやらない」と勉強に対してやる気がありません。新しい分野をやろうとすると「わからないからやりたくない!」と暴れ、宿題もやりたがらないし、このままではどんどん遅れていってしまいます。
「心」の問題
C君に取るべき対策としては、「褒められるポイントの変更」が挙げられます。答えを出せないままでもいい、考え続けられていること自体を承認していきます。「自分の分かっていない事にチャレンジすること自体」が価値がある事だということを理解してもらうことが最初にやるべきアプローチです。
「心」にアプローチ
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このように、同じ点数が取れていない子だとしても、とるべき対策が全然違います。まずはアセスメントありきなのです。


