何度も乗って
何度も見た景色

好きな歌手の書いた
あの詩を聞いて
いつも通りに眺めている

いつもは目につかない
遠くの山
枯れた川
不自然なほどに平たい土地
誰のものか分からない住宅

稲を刈る家族
田圃道でこちらを指差して飛び跳ねる親子
飼い主と犬を繋ぐリード
グラウンドの少年野球

流れる景色に自分の人生を重ねて
こんなにも平和なのだと
切れ切れな雲を見上げる

まだ夏になり切らない
こんな世界も
死んで終わるよりまだマシと
悪くはないかと思えてしまう