たしかあれは14歳だったとおもう。10月のあたまに清里へ行った。いままで何回も行っているのに、あの日だけはいまでも印象的で忘れられない。
とてもよく晴れていて、暖かいけど涼しかった。秋のにおいがした。
あちこちにかぼちゃがごろごろ転がっていて、太陽に照らされた鮮やかなオレンジ色が眩しかった。
ひとりで歩いた。静かだった。
日陰にある小さなお店で、風鈴を買った。もう10月なのに。きらきらと鳴る風鈴だった。そのときはすべてがきらきらしていて、そう聴こえただけかもしれないけど。きれいだった。なにもかもがきれいで、そのままどんどん透明になっていく気がした。
あの日のじぶんに、もう一度会いたい。
きんもくせいのにおいがすればいいのに。そうしたらまた、そのとき、あそこへ行きたい。