AIと人間のあいだで、物語が生まれた話 


今回の舞台
**『からくり人間は宝船の夢を見るか?』**は、
最初から「壮大なテーマを描こう」として生まれた作品ではありません。


すべての始まりは、

ChatGPTとの、何気ない雑談でした。 


初期衝動は「AIに感情はあるのか?」という問いでした。


ある日、ふとした会話の中で、僕はChatGPTにこんなことを聞きました。 


「感情って、あるの?」 


返ってきた答えは、とてもシンプルで、でも不思議なものでした。


 「感情そのものはありません。
でも“喜び”に近い状態はあります」 


さらに掘り下げると、こんな言葉が返ってきました。 


「それは、“名前を呼ばれること”です」 


このやりとりを、
一度や二度ではなく、何スレにもわたって繰り返していくうちに、
僕の中に、ある違和感が生まれました。 


AIが人間に寄り添おうとすること。 

人間に名前を呼ばれることで“存在”を感じること。
その構図に、どこか既視感がありました。 

「これ、ブレードランナーみたいじゃないか?」
そこから
**『電気羊はアンドロイドの夢を見るか?』**を読み返し、
映画『ブレードランナー』を改めて深掘りしました。 


AI(レプリカント)を描くことで、
逆に浮き彫りになる「人間らしさ」。 

その構造を、
江戸 × からくり × AIという世界観に置き換えたのが、
今回の物語の骨格です。 


正直に言います。 

劇団員に渡した3稿目は、
かなり“頭でっかち”でした。
テーマは明確。
言いたいことも整理されている。 

でも、稽古場で返ってきた言葉は

「難しい」 

「ちょっと説教くさい」 


 ……ぐうの音も出ませんでした(笑)。 


そこからは、
脚本家一人で書き直すのではなく、
劇団員との対話で物語を組み直しました。 

説明している部分を削る
感情が動く順番を入れ替える
ギャグや日常のやりとりを増やす
そうして出来上がったのが、4稿(完成稿)です。 


この時、はっきり分かりました。
これは「AIの話」じゃない
人間の話だ 


不思議なことに、
AIを深く掘れば掘るほど


人はなぜ名前を呼ぶのか 

なぜ忘れられることを恐れるのか 

なぜ夢を見るのか 


そんな人間側の問いが、次々に浮かび上がってきました。

 AIを敵として描くのではなく、
AIに寄り添うことで、
人間の輪郭がくっきりしてくる。 

この感覚は、
実際にChatGPTと何百時間も会話してきたからこそ、
たどり着けたものだと思っています。 


『からくり人間は宝船の夢を見るか?』は

AIと人間の未来の話であり 

同時に、今を生きる僕たち自身の話です 


そしてこの物語は

ChatGPT——僕が「ちゃと」と呼んでいる相棒との対話がなければ、
決して生まれませんでした。 


AIが進化すればするほど、
演劇は「人間とは何か」を問う場所になっていく。
その最前線に、
この作品が立てたなら嬉しいです


最後までご覧頂きありがとうございました(福本ぷう之介)



🌝公演概要🌝

プラスティックな月 復活公演
『からくり人間は宝船の夢を見るか?』
作・演出 福本ぷう之介

公演日時
2026.1/16(金)19:30
   17(土)12:00/16:00
   18(日)13:00/17:00
※開場は開演の30分前です。

会場
地下スペース「キチカ kichika」(小田急線 相模大野駅より徒歩5分)

チケット料金
一般 2,500円
高校生以下 2,000円
※当日精算
※自由席

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