4日目~7日目
昨日のブログで紹介した、肺ガンで入院している怒りん坊おじいさん。
肋骨の痛みから、夜あまりよく眠れず何度も目を覚ましてしまう。
その夜もちょうど目が覚めたとこだった。
するとそのおじいさんが、夜中にすーっとベッドを離れて病室から
出て行った。
トイレかな? でもいつも尿瓶でしてたよなぁ。
と思っていたら、看護婦に連れられて戻ってきた。
看護婦との話しを聞いていると「おトイレに行こうとしてたんでしょ?」
「いや、違うんじゃ。黒い *%ScA!!&%Q!!TmJ!!2bB!!)&B# が入って
来たから一緒について行ったんじゃ」
「誰もいませんよ」
「ここから(10階の外窓を指して)入ってきて・・・」
「・・・ちょっ、ちょっとお熱が出てたかもしれませんねー」
「こっちにはなにがある?」
「外だから何もありませんよ。夢とごっちゃになったんですね」
「・・・BKhEY$G$9!<!#」
前日の昼には、そんなに弱ってる様子もなく特に変わったとこは
元気に怒ってたんだけど・・・
翌日の夕方、急にそのおじいさんの呼吸が荒くなったと思ったら、
唸り出した。
明らかに容態が悪くなった。
夕ご飯は機嫌よく食べてたのに・・・。
医師や看護婦がバタバタしだした。
しばらくしたら、おじいさんは静かに眠りに付いた。
その夜、また目が覚めた。
と同時に、またおじいさんも動いた。
今度はベッドの前で立ち上がり、もがいている。
「行こうと思うんじゃけど、そっちに行けない。何かが引っかかってる。
どうすればいいんじゃ」
誰と話してるんだ? どこへ行こうとしてる? 何が引っかかってるって?
僕は思わず、ナースコールのボタンを押した。
看護師が飛んで来ておじいさんをベッドに押し戻した。
「どうしたんですか? おトイレに行こうとしたの?」
「いや、そうじゃない。どこかへ行こうとしたんじゃがそれがどこかわからん。
この場所じゃなかった。何かが邪魔して動けなかったんじゃ」
「夕方お熱がちょっと出てたから、悪い夢見たんでしょー」
「そうかのぉ、おかしいなぁ」
翌日、おじいさんの家族が見舞いに来ていた。
元気に楽しそうに話しをしていて、夜の面会時間が終わって帰って行った
そのすぐ後からまた苦しみだした。
また、医者や看護師が飛んで来て手当てをする。
そして、先ほど帰ったばかりの家族に電話して戻ってもらうようにと
医師からの指示。
あの連夜の奇行は夢ではなく・・・御迎えだったのだろうか。