香川県生まれゆえ、うどんにはチトうるさい天人。
今、雨後のタケノコのように店を出し続けている丸亀製麺のうどんがどんなものか前から気になっていたが、素うどん290円という讃岐うどんらしからぬ値段設定に、あんなのは讃岐うどんではないと頭から決めつけ、これまで一度も暖簾をくぐることはなかった。
しかし、食べもしないで批判するのは正しい姿勢ではない。
ひょっとすると値段相応、目からウロコの讃岐うどんを食べられるのかもしれないと思い、初めて行ってみた。
茹でたうどんを受け取り、トッピングを選んだ後で勘定するのは、讃岐のセルフうどん店そのままのスタイルだ。
しかし、その味たるや、讃岐うどんとは全くの別物。
よくこれで讃岐うどんを名乗っているものだ!と頭にくるほど、ひどいものだった。
それは、食べる前から、こりゃダメだと感じたほど。
うどんを一目見るなり、エッジが立っておらず、やっぱりか・・・と思ってしまった。
食べてみると、案の定、讃岐うどんにあるべきはずのコシが全くない。弾力感ももちもち感もなく、ただ柔らかいだけのうどんだ。
そして、ダシはもっとダメ。
色は薄茶色で、麺ツユを薄めたような色と味。讃岐うどんといえばイリコのダシが必須条件なのに、イリコの風味など、全く感じられなかった。
HPを確認したところ、「なるべく多くの人においしいと感じてもらえるよう、イリコは少なめで、昆布、サバなどの削り節を使っている」と書かれているではないか。
それなら、せいぜい讃岐うどん風と名乗るべきで、断じて讃岐うどんと名乗ってはいけない!
店内には讃岐富士の大きな写真が飾られていたが、讃岐富士に失礼だ。
経営しているトリドール社の社長は神戸出身だと聞いたことがあるが、この人物にとって、讃岐うどんは単なるカネ儲けの道具でしかないのだろう。
讃岐うどんを本当に愛しているなら、あんなヒドイうどんは出せないはずだ。
その点、同じ全国チェーンの「はなまる」のうどんは、讃岐うどんと呼べるだけの条件が備わっている。
さすが高松で創立された会社だけに、讃岐うどんへの愛が感じられる。
それにしても、この味、この値段で、丸亀製麺はどの店も結構繁盛しているから不思議だ。
これが讃岐うどんだと信じて食べている人には、気の毒な限り。
讃岐うどんの名誉を汚している丸亀製麺よ。
讃岐うどんと名乗るからには、素うどんで290円もボッタクルな。
こんな味なら、讃岐うどんの看板を外せ。
本物の讃岐うどんを知らない人に、これが讃岐うどんでございと偽物を高い値段で売っている、このやり方は詐欺そのものだ。
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