銀河ヒッチハイク・ガイド」とかいうスラップスティック・SFコメディ見てたらモス・デフが出てた。

 

この映画自体もなかなか狂ってて、バカ映画なのにめちゃくちゃ金かかってる。それでいてピクサーの「インサイド・ヘッド」くらい奇想天外で荒唐無稽なアイデアの映像化に成功していて、まあまあ面白かった。説明不足な「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と言った感じ。まあまあ好き。

 

この映画、最初は「500日のサマー」でサマー演じたズーイー・デシャネル目当てで見たんだけど、(「500日のサマー」のズーイー・デシャネルは最高すぎ、という話は今度する)モス・デフが最高すぎて彼への愛をどこかにブン投げたくなったのでここに纏める。

 

モス・デフって誰、って人のために簡単に説明すると、90年代を代表するブルックリン出身のラッパーであり俳優。

 

こういうラッパー兼俳優っていう人多いよな。アイスキューブもそうだし、コモンなんかも最近では「スーサイド・スクワッド」に出演してて笑った。ジョーカーに殺される役。

 

モス・デフ(Mos Def)っていう名前の由来はどうやら"most definitely"(当然さ!)という彼の口癖から由来しているようで、地味に2012年にYasiin Bey(ヤシーン・ベイ)という名前に改名してる。改名の理由は、将来の不安から、らしい。芥川龍之介かよ。

彼自身も改名してから南アフリカへ移住したようで、何年か前にラッパー引退宣言もしてた。もうあのオーガニックな声を聞けないと思うとなんだか少し寂しい。

 

ヒップホップ界隈の中でも指折り好きなMCなんだけど、何が好きかって、まずこの顔。

 

 

ハンサムすぎる。

最近ではケンドリック・ラマーも最高にかっこいい(顔が)。ラップも凄まじくテクニカルでウィットに富んでて最高だけど。そういう意味ではこの二人は近い存在なのかも知れない。

 

顔も十分すぎるくらいにかっこいいんだけど、なんといってもこの人はラップが最高にかっこよすぎる。

90年代中頃から活躍し始めて、多分、デ・ラ・ソウルの「Stake Is High」にフィーチャーされだしてから頭角を現し始めたと思う。

 

関係ないけど、このデ・ラ・ソウルの「Stake Is High」もかなり最高で、今までのパーティーチューンは影を潜めてより彼らのハードコアな部分をギラリと覗かせる。J Dillaがトラック提供しているのもあったりして最高なのでぜひ聞いてください。

 

98年に90年代ヒップホップを語る上では外せないレーベル、ロウカスレーベルからタリブ・クウェリとのユニット、ブラック・スター名義で名盤「Mos Def & Talib Kweli Are Black Star」をリリース。

これがマジでかっこよすぎて、ロウカスレーベルの良さがこのアルバムに詰まってる。

 

 

コモンも参加したこれなんか最高だし、かっこよすぎる。この曲では、モス・デフとタリブ・クウェリはブルックリンのストリートについてラップしてる。

また脱線するけど、この曲のコモンのリリシストっぷりがすごい。

 

”妬みに取り囲まれても故郷を愛しているんだ

神に尋ねた、世界を旅することがどうして安全だと思ったのか

ダウンタウンを超えたこともない彼にとっては難しいことじゃないかと思ったんだ

これは深いぜ、眠る街の息遣いを聞いたんだ 

俺は現実に触れる、しかし俺にとっては深い所に居続けるのは難しい

眠った仲間の息遣いを聞いたんだ”

 

天才ですね。

 

他にもやたらメロウな「Brown Skin Lady」、「Thieves In The Night」だったり超充実作かつ聞きやすいのでヒップホップ入門としてもお薦め。

 

 

 

 

そんな感じでサクッと名盤を一枚リリースしてからこのユニットとしての音沙汰は無いものの、これ以降も頻繁にお互いの楽曲でフューチャリングしあってる。

 

そんな感じで相方のタリブ・クウェリはブラック・スターでも楽曲提供していたハイ・テックと組んで00年、Reflection Eternal名義で、こちらも名盤「Train Of Thought」をリリース。

 

一方モス・デフはどうしたかというとブラック・スターの翌年、99年、ソロデビューアルバムの「Black On Both Sides」を同じくロウカスレーベルからリリース。

これがもうほんと素晴らしくて90年代東海岸ヒップホップの中でも指折りで好きだ。

 

 

「Ms. Fat Booty」を筆頭にオーガニックな元ネタからのサンプリングの宝庫みたいなアルバム。この曲はアレサ・フランクリンの「One Step Ahead」をサンプリングしてる。使い方かっこよすぎ。

 

 

このアルバム聞き返してみたけど、やっぱり最高に好きだ。メロウになりすぎず程よいマッチョイズムも兼ね備え、リリックの内容もおもしろい。最高かよ。

 

個人的に好きな曲は1曲目の「Fear Not Of Man」

 

 

前半のパーカッションだけで聞かせるのはすごすぎ。最高。

 

他にもア・トライブ・コールド・クエストのアリ・シャヒードが楽曲提供した「Got」やブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムがフェンダー・ローズを演奏してる「Umi Says」なんかもネオソウルっぽくて最高だったり

 

 

 

ア・トライブ・コールド・クエストのQ・ティップという最強MC二人のコラボ「Mr. NIgga」なんかも最高すぎて捨て曲がない。

 

 

「Brooklen」ではレッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Under The Bridge」の冒頭のラインを引用していたりと、もうとにかく死角がない。

 

 

 

 

2ndでは打って変わってバンドを引き連れた生音勝負なアルバムを作成したりするんだけど、これ以上紹介すると普通にどっぷり音楽の話になってしまうので以降は割愛する。(これ以降では個人的には09年リリースの「The Ecstatic」も最高なのです)

 

あと単純にモス・デフのファッションが好きだ。

 

 

 

 

 

かっけえ。カジュアルな服装からフォーマルな服装までかっこいいのかよ。ディアンジェロみたいなゴリゴリマッチョでセクシーな黒人も最高にかっこいいけど、なんかこう微妙にアンニュイで渋いモス・デフが最高に好きだ。

 

 

 

最近の僧侶みたいなモス・デフ(ヤシーン・ベイ)もかわいいよ。どこに向かっているのだろうか。

 

 

なんかすごいキングコング西野に似てるモス・デフを置いておきますね。

 

最近では「はじまりのうた」や、「タラデガ・オールナイト」なんかにも出演していたり、あの「エターナル・サンシャイン」を監督した、ミシェル・ゴンドリーの「僕らのミライへ逆回転」なんかにも主演で登場する。スクリーンの中の彼も最高にクールで愛らしい人なんだけど普通に演技上手い。なんでもできるんじゃねーか。最高かよ。

 

 

最後に「16ブロック」でブルース・ウィリスに遊戯王を熱弁するモス・デフでお別れにしますね。さようなら。